一般システム理論の主要概念
- 下位システム/構成要素
- システムは相互に関連を持った複数の部分あるいは要素からなる。
- 階層性(ハイラーキー)
- システムはそれを構成する下位システム/構成要素面の階層的関係の構造になっている。
- システムの境界
- システムは自らをその環境から区別する境界を持っている。
- クローズド・システムとオープン・システム
- システムにはクローズド(閉じた)システムとオープン(開いた)システムとがある。オープン・システムは環境との間で物質、エネルギー、あるいは情報を交換するもので、生物システムや社会システムは本質的にオープン・システムである。クローズド・システムはそのような交換のないシステムで、機械的システムはそうであるが、オープンな機械システムもある。オープンとクローズドの差は境界が透過性をどれだけ持っているかであり、両者は明確に二分できるものではなく、相対的にオープンあるいはクローズドと区分されるような連続的なものと考えられる。
- インプット/プロセス/アウトプット・モデル
- オープン・モデルにおいては、システムはその環境との動態的関係において、環境からいろいろなインプットを受けとり、それらを変換プロセスで変換し、何らかのアウトプットとして環境に送り出す。
- 複数目標の追求
- とくに生物システムおよび社会システムにおいては、複数の目標が追求されることが多い。
- ホリズム(全体思考)
- システムにおいては全体は部分の単なる合計ではなく、システムは一つの全体としてのみ説明できる。ホリズム(holizm)は全体を要素の和とみる要素主義と正反対のものである。ここでは1プラス1が必ずしも2にならないというシナージ(synergy)の概念や、有機体、ゲシュタルトの概念などが関係する。
- 負のエントロピー
- 閉じた物理的システムにおいては、最終的にシステムが崩壊するまでエントロピー(entropy)が増大するというエントロピー増大の法則が働く。これに対して開いた生物的あるいは社会的システムにおいては、環境から資源をとり入れることができるために、エントロピーの増大を止め、あるいは負のエントロピーに転換することができる。
- 内的精緻化
- クローズド・システムはエントロピー増大によって無秩序や組織崩壊に向かう傾向があるが、オープン・システムは精緻化、分化などにより高次の組織化へ向かうことができる。
- 定常状態/動的均衡/ホメオスタシス(homeostasis)
- 定常状態の概念は負のエントロピーの概念と密接に関連している。クローズド・システムはエントロピー最大の状態で均衡状態になるが、オープン・システムにおいては、システムは環境からの資源の連続的な流入によって動的均衡状態を保ち得る。
- フィードバック
- システムがどのようにして定常状態を保つかを説明するのに重要な概念で、システムのアウトプットやプロセスについての情報がシステムへのインプットとして環流することを意味する。フィードバックには正と負があり、自動制御/サイバネティックスでは負のフィードバックがベースになる。負のフィードバックはシステムが定められたコースから逸脱しようとしているということを示す情報インプットであり、それによりシステムの軌道修正が可能になる。
- オープン・システムの等最終性(equifinality)
- 機械的システムにおいては初期状態と最終状態との間には直接的な因果関係があり、同じ最終状態は同じ初期状態からもたらされるが、生物的あるいは社会的システムにおいては、同じ最終状態が異なる初期状態からもたらされ得る。すなわち、異なる初期状態から出発しても、環境からの途中のインプットやプロセス内の活動のいかんによって同じ最終状態が達成され得る。
宮川公男著『意思決定論−基礎とアプローチ』(中央経済社、2005)24〜25ページより