掲載日:2012/03/24

 建築学部建築学科教授(建築生産分野担当)の遠藤和義です。このブログで募集した八王子キャンパス総合教育棟インターンシップに参加した皆さんからの報告第2弾です。

 

  私は建築施工の授業を受け、職人の方々と建物を造り上げていくこと、ものづくりの第一線に携わることができる建築の現場に魅力を感じました。一週間のインターンシップで現場監督の方がどのような仕事をしているのか勉強させていただきました。建築の現場では工期や品質を守るため、一つ一つの打ち合わせ、職人の方々との作業確認、配筋やコンクリートの検査、試験が非常に重要になります。また、現場の環境や安全、衛生を維持するため日々パトロール、清掃をすることも大切な仕事だと感じました。インターンシップでは貴重な体験をさせていただきました。短い間でしたが誠にありがとうございました。

 

写真1:PC鋼線

 写真1はプレストレストコンクリート(PC)に用いられるPC鋼線です。PCとは荷重による応力を打ち消すようにあらかじめ計画的に応力を与えたコンクリートのことです。あらかじめ応力を与えるために写真のような鋼線を用います。

写真2:PC鋼線緊張

 写真2はPC鋼線に油圧ジャッキを取り付け、引張力を与えてコンクリートに圧縮応力を与えてます。PC鋼線を導入することにより、大きなスパンでの架構が可能になります。

 

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掲載日:2012/03/24

建築学部建築学科教授(建築生産分野担当)の遠藤和義です。このブログで募集した八王子キャンパス総合教育棟インターンシップに参加した皆さんからの報告第1弾、保田直哉君編です。

 

今回、インターンシップに参加しようと思ったのは、現場監督はどのような仕事をしているのか知りたかったからです。

期間中にコンクリート打設を見ることができました。図面通りの配筋か、かぶり厚さはとれているか、パネル割りはあっているか確認し、あとは生コンを流すだけとなったら意匠設計、構造設計、ゼネコンの立会で配筋検査を行い、構造や仕上げの確認をし、確認した証拠の写真を撮り、次の日にコンクリート打設になりました。打設時もジャンカなどができないようにたたきやバイブレーターの指示を現場監督が出していました。

現場監督の仕事は実際に作業するのではなく、図面通りに仕上がっているか、職人さんが安全に作業しているかを見て回ることでした。私は職人さんに混ざり作業することがあるのかと思っていましたがありませんでした。

なかなか現場を見る機会がないので今回、とても勉強になりました。大成建設の皆さん、職人の皆さん、ありがとうございました。

 

インターンシップ中の保田直哉君

 

 

 

インターンシップ中に保田直哉君が撮った現場の様子

 

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掲載日:2012/03/15

田村雅紀・建築学部建築学科 「建築材料担当」

 新総合教育棟の工事は,日々着々と進んでいます。今回は,新総合教育棟ブログでご紹介した,「125周年記念ビンテージコンクリート」を採取したイベントのご報告です。

 ビンテージコンクリートは,新総合教育棟の構造体のコンクリートそのものであり,現場関係者と学生・教員が協力して,全125本を越える,生まれたてのコンクリートをテストピースに納めました。

 もちろん,コンクリートの設計基準となる強度をはじめ,打設時の物性はチェック済。つまり,生まれたての赤ちゃんの体の状態がわかります。これから数十年,さらには100年を越えて,ビンテージコンクリートが年を積み重ねて味わいを出していく様子を評価して,新総合教育棟の体調チェックなどを陰ながら行うことができればと思います。

 1年,5年,10年,20年・・・・ビンテージコンクリートの強度試験日は,ビンテージワインと一緒に再会ですね。

 

看板づくり

レミコン到着

いよいよ開始
受け入れ検査

テストピース 125本たたき

ビンテージコンクリートと記念写真

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掲載日:2012/02/14

 総合教育棟の構造設計を担当した金箱温春(かねばこよしはる)です。金箱構造設計事務所を主宰し、さまざまな建築の構造設計を行ってきています。本年4月より建築学部の教授として着任することになりました。構造設計の役割・魅力・考え方を、構造専攻の学生だけではなく、建築を目指す多くの学生の皆さんに伝えたいと思います。

 

 総合教育棟の構造計画の特徴を説明します。免震構造については既に山下先生の説明がありますので、上部構造の特徴を紹介します。

 建物は地下1階では一体の構造ですが、1階から4階では4つのL型の平面に分かれた建物になっています。4つの建物は右上から時計回りにA棟、B棟、C棟、D棟と呼んでいます。図1は2階床の構造図を示したものですが、通常の建物とはかなり異なった構造形式となっています。屋根や床を支えているのは鉄筋コンクリート造の壁(厚さ30cm〜40cm)と鉄骨造の柱(1辺15〜20cmの正方形断面)で、通常の建物にあるような太い柱はありません。図中の赤い太線が鉄筋コンクリート造の壁、小さな□印が鉄骨柱です。A棟、B棟では研究室の隔壁が鉄筋コンクリートの壁となっており、また、C棟、D棟では講義室の周りを鉄筋コンクリート造の壁と鉄骨柱が取り囲んでいることが分かります。この特殊な構造は、免震構造を採用したことにより可能となったものです。

 床や屋根の構造にも特徴があります。A棟、B棟は現場で型枠を組み配筋をして鉄筋コンクリートスラブを作るという一般的な方法です。C棟、D棟は特殊な工法で、図1の青に塗られた部分をプレキャストコンクリート構造としています。外周部にプレキャストの梁を配し、内部は幅1.5mのリブ付きプレキャスト版を並べ、その上に10cmの厚みのコンクリートを打設して一体化します。プレキャストの梁、床版は工場で製作し、現場に運搬して組み立てます。写真1は工場で製作した梁の状況、写真2は現場で組み立てられた床版の状況です。この方法によれば、スパンの長い梁や床を高強度のコンクリートとプレストレスの効果により小さな断面で作ることができ、現場での型枠作業を省くことにより工期短縮も可能となります。リブ付きのプレキャスト床版は、建物が完成するとそのまま天井面の仕上げとなるもので、リブの形状は意匠的な面も考慮して決定しました。D棟の最上階は最も大きな講義室とでスパンが18.2mあり、この部分の屋根のプレキャスト版はリブの高さが80cmと最も大きくなっています。

図1 2階伏図

写真1 プレキャスト梁

写真2 現場で組み立てられたプレキャスト床版

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掲載日:2012/02/10

建築材料担当の田村雅紀です。

今回は,総合教育棟を長期にわたって支えるコンクリートを,実際に皆さんの手で打設をする機会を設けます!

コンクリートは実際に総合教育棟に使われるものを分けていただき,円柱供試体125本を作成します。

大人のたとえになりますが,ビンテージワインを味わうように,将来エイジングによって変化するコンクリートの基礎的物性を試験(圧縮強度試験で破壊)することによって長期に総合教育棟の健康診断が行えます。

あなたの打ったコンクリートは125年後の後輩が試験するタイムカプセルとなります!

 

日時:2012年3月9日(金曜) 午前10:00〜夕方17:00

場所:八王子11号館UDM地上1階実験室

対象:建築系学科の学生だけでなく広く募集します。

人数:先着10名程度

募集期間:2012年2月24日迄に田村迄メールにてご連絡ください(masaki-t@cc.kogakuin.ac.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上左:準備完了!アジテータ車到着

上右:スランプ,空気量など受入検査

下左:円柱供試体を125本以上確保

下右:基礎物性を評価

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