演示テーマの発案から、準備、イベント当日の活動を通して、科学教育の課題と向き合いながら、プロジェクトをデザインする力やコミュニケーション能力を高めていく。
科学教室の開催に至るまでの取り組みと、イベント当日の学生たちの活動を追いました。
事前準備
1.
チームごとに理科実験のテーマを検討。子どもたちの興味喚起はもちろん、社会的なニーズを探るためのヒアリング調査も行います。技術的な可能性も念頭に入れ演示テーマを考えます。
2.
演示テーマが決まったら、安全性に配慮しながら予算内で道具や材料を選定。子どもたちの多くが成功できて、楽しく学べる実験手法を考えます。実験の意味を理解できるように説明手法も工夫。
4.
子どもの身近にある食べ物などを例にあげて、わかりやすく実験工程を説明します。フリガナを付け低学年の子どもにも、科学実験への興味が広がるように伝え方にも注意を払っています。
「白衣を着てみたい」という子どもたちの要望を受けて、小さなサイズの白衣を用意しました。
科学教室当日
3.
1日に4,000人以上の来場者を迎えるため、早朝から会場のセッティングや材料、道具などの準備にとりかかります。2日間を楽しく、そして無事に終えられるか、ちょっと緊張する時間です。
5.
スーパーボールづくりの実験が始まります。好きな色や香りを付けられる楽しいひと工夫も大切。子どもの意外な質問や「わからない」という声に戸惑い落ち込むこともありますが、子どもの笑顔がはじける瞬間が最高です。
スポイトの持ち方など、実験の技術もていねいに指導します。
後 日
6.
プロジェクトチームごとに反省会を実施。学生たちの気づいた点や、子どもたちや保護者から寄せられた声をもとに問題点を話し合い、その改善策を考えていきます。
7.
各プロジェクトの代表者と教員、科学教育センターのスタッフで報告会を開催。課題や今後の取り組みについて話し合います。内容は全メンバーに伝えられ、翌年の科学教室へとつなげていきます。
科学教室に参加した学生に、社会貢献活動に携わった証として贈られる賞状。
「科学教室」は、科学教育における支援活動として本学の科学教育センターが取り組む、中・高大院連携事業の大きな柱のひとつです。
科学好きの子どもたちを増やそうという社会的な貢献活動としてだけでなく、学生にとっては、企画の立ち上げから実現までの実践的な力を磨き、また安全性への配慮、教えることの難しさなど、科学・工学教育そのものを体験的に学ぶ貴重な機会になります。
子どもに「わからない」と言われ、意気消沈する学生もいますが、そうした経験のなかから大きく成長していく姿に、科学教室の大きな意義を感じています。
科学教育センター長 矢ケ﨑 隆義 教授
先進工学部 環境化学科(2015年4月開設)
お問い合わせ | 学校法人工学院大学 科学教育センター E-mail: ksec@sc.kogakuin.ac.jp TEL:03-3340-2438 |
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