新宿アトリウムデジタルアートコンペ最終公開審査 開催レポート

2020 / 12 / 03
11月18日(水)に新宿キャンパスで「第1回 工学院大学新宿アトリウムデジタルアートコンペティション」の最終公開審査が開催され、その様子がYouTubeでライブ配信されました。

当日は、 審査委員長のNHK制作局チーフプロデューサー/森内 大輔氏、学内審査員の5名の教員が審査を行いました。
5組のチームが自信作を披露し、最優秀賞(賞金20万円)・校友会特別賞(賞金10万円)・審査委員特別賞(賞金5万円)が決定しました。 
今回のコンペティションは工学院大学の学生と工学院大学附属中学校・高校の生徒を対象に、2019年11月から始動。最先端技術とアートを組み合わせた表現に挑戦することを目的に開催されました。
総勢31組の応募者の中から、2020年3月に4組の大学生チームと1組の高校生チームが、第1段階アイディア審査を通過。
最終公開審査に向けて、今回のコンペティションの協賛企業である株式会社P.I.C.S.、協力企業のヒビノスペーステック株式会社の方々に技術指導をしていただき、アイディアを形にしていきました。

11月18日(水)に開催された最終公開審査では、1組ずつ完成した作品を上映し、審査委員に向けてプレゼンテーションを行いました。
その様子がYouTubeでライブ配信され、学生・生徒、保護者や学園関係者など100名以上の観客が画面越しに健闘を見守りました。
 

電気使用量やアトリウム滞在者数などリアルタイムデータと連動して壁の動きや音楽が変わる作品、自然現象を表現した作品など、個性豊かで設備の特徴を活かした作品が出そろいました。

最優秀賞 「見る元素図鑑」

見事、最優秀賞に選出された情報学部情報デザイン学科4年 和泉 功亮さんの「見る元素図鑑」は、アトリウムを子どもから大人まで楽しめる巨大な科学図鑑に変貌させた作品です。
元素の一つ一つの情報・性質を、動く壁やLEDなどアトリウム内の設備を活かして表現しました。
コロナ禍でも就職活動と並行して決して妥協することなく、膨大なデータを扱った作品を完成させました。
審査委員は、その科学やものづくりへの情熱や豊かな発想力を高く評価しました。
審査委員長の森内大輔氏は、「この空間を科学ミュージアムにしてしまおうという発想がおもしろい。動く壁も上手く使った斬新なインターフェースを提案してくれた。」と称賛しました。

校友会特別賞 「TIME GROOVE」

校友会特別賞は、建築学専攻修士2年 福井 献一さんが代表を務める建築系学生5名の作品「TIME GROOVE」が受賞。
アトリウム内の人数の増減に応じて、楽器によるBGMが変化し、プロジェクションマッピングやLEDと連動する作品を提案しました。
審査委員からは、作品の完成度の高さはもちろん、実演を交えたプレゼンテーションが高く評価されました。

審査委員特別賞 「コーガくんの時計工場」

さらに中高生で唯一、第1段階アイディア審査を通過した附属高等学校2年 星野 圭祐さんの作品「コーガくんの時計工場」が、大学生と並び、審査委員特別賞を勝ち取りました。
動く壁とプロジェクションマッピングを活用して、建物の象徴となる巨大からくり時計を完成させました。

入賞 「BUILDING HEART」

建築学専攻修士1年 除村 高弘さんがチーム代表を務めた作品「BUILDING HEART」は、建物の中心にあるアトリウムを新宿キャンパスの心臓として表現。
ビルの電気使用量のリアルタイムデータと連動して、心臓の鼓動が変化します。僅差で受賞を逃しましたが、グラフィック表現の美しさや環境問題へ真摯に向き合った姿勢が評価されました。

入賞 「機 TREE」

情報学部情報デザイン学科 3年 望月 大輝さんがチーム代表を務めた「機 TREE」は、アトリウムにいる人の数とプロジェクションマッピングやLED、壁の動きが連動。
人が増えると、機械でできた木に果実が実り成長していきます。ユーザー参加型のインタラクションで、その場にいる人々を楽しませました。
惜しくも受賞には一歩及びませんでしたが、アトリウムに賑わいをもたらす常設展示として発展性のあるテーマであると、審査委員から評価を受けました。


表彰式では、審査委員長の森内 大輔氏から、今大会の総評が述べられました。「甲乙つけがたい素晴らしい作品ばかりだった。それぞれの作品からここに集う人たちへの思いやりや優しさが感じられたことに感動した」と、全チームの健闘を称えました。

 
コロナ禍で新宿アトリウムに直接足を運ぶことやチームで集まることが十分にできない中でも、学生たちはオンラインミーティングを最大限に活用して、粘り強く作品制作を進めてきました。
今回のコンペティションで普段の学校での学びと異なる分野に挑戦した学生も多く、試行錯誤しながらも半年以上かけて、すべてのチームが高い表現レベルで作品を完成させました。
工学院大学新宿アトリウムは、新宿から世界に向けて常に新しいことにチャレンジし、進化・発信していく工学院大学の思想を反映する場として2020年夏にリニューアル。今後も学生たちとともに発展し、新たな可能性を生み出し続けます。

ご応募いただいた総勢31組のみなさま、ご支援ご声援いただいたみなさま、ありがとうございました。

最優秀賞 和泉 功亮さん(情報学部情報デザイン学科4年)コメント

学生生活では、講義で学んだことを活かしてコンピュータゲームやアプリケーション、3Dモデリングなどのデジタルコンテンツを制作してきました。その自分の経験、発想、知識の集大成として大学最後の年にこのような賞をいただき、大変うれしい限りです。
小さいころから科学が大好きで、太陽の内部で起きている核融合からヒントを得て、巨大な元素図鑑を作りました。作品を通して小さなお子さんから大人まで多くの方々に、科学技術が未来を変える力や、学ぶことの楽しさを知ってもらいたいです。

第1回工学院大学新宿アトリウムデジタルアートコンペティション 最終結果

  作品名 受賞者
最優秀賞 見る元素図鑑 和泉 功亮 (情報学部情報デザイン学科4年)
校友会特別賞 TIME GROOVE 福井 献一 (建築学専攻 修士 2年)
向井 菜萌 (建築学部建築デザイン学科4年)
野尻 晴加 (建築学部建築デザイン学科4年)
見内 慶太 (建築学部建築デザイン学科4年)
石井 健成 (建築学部建築デザイン学科4年)
審査委員特別賞 コーガくんの時計工場 星野 圭祐  (工学院大学附属高等学校2年)
入賞 BUILDING HEART 除村 高弘 (建築学専攻 修士1年)
内田 亘樹 (建築学専攻 修士1年)
野末 誠斗 (建築学部建築デザイン学科 3年)
機 TREE 望月 大輝 (情報学部情報デザイン学科 3年)
湯村 颯悟 (情報学部情報デザイン学科 3年)
吉田 蓮 (情報学部情報デザイン学科 3年)
劉 敬安 (情報学部情報デザイン学科 3年)
望月 勇希 (情報学部情報デザイン学科 3年)