工学院大学ロボットプロジェクト「NHK学生ロボコン2021」参戦レポート

2021 / 10 / 19

10月10日(日)、工学院大学ロボットプロジェクトが「NHK学生ロボコン2021」に出場しました。惜しくも予選敗退となりましたが、ディフェンスロボットの働きが評価され、東京エレクトロン株式会社様より特別賞をいただきました。4年ぶりに本選に出場を果たし、チームにとって大きな一歩となりました。

今年度の大会テーマは、「投壺 ~トゥフー~」。「投壺」という古代中国の伝統的な壺へ矢を投げ入れる遊びを模したルールです。ロボットは1チームにつき2台で、スローイングロボットがフィールド上のポットに矢を投げ入れ、ディフェンスロボットがフィールド内で相手の得点を妨害します。多く得点したチームが勝利を手にします。

試合出場メンバーとスローイングロボット(右)、ディフェンスロボット(左)

工学院大学ロボットプロジェクトは、学部3年生を中心に代表6名が、前日から会場入りしました。午前中に自チームのロボットの調整を進め、午後には大会出場のためのロボットの計量計測を受けました。ロボットはそれぞれ縦横1m以内、2台の合計が50kg以内であることがルールで定められています。工学院大学ロボットプロジェクトは事前に校内で計測を済ませていましたが、機器や方法に不備があったようで、実際の計測ではディフェンスロボットは25㎏、スローイングロボットは30㎏あり、合計5㎏の減量を余儀なくされました。機体から不要な部分を取り除いても5kgには及ばなかったため、ディフェンスロボットの機構の一つであるポット回転機構の一部を取り外すことに決めました。

夕方近くに無事に計量検査に合格しましたが、機構がなくなったことによるプログラム変更やその他うまく機体が動作しない不具合が発生し、その日大会フィールド上で行う予定だったテストランは翌日朝へと持ち越しになりました。

大会当日は、早朝から機体の準備を進め、9時ごろにはテストランを行いました。しかし機体が上手く動作せず、スローイングロボットの矢の発車や走行試験を行うことはできませんでした。午後から始まる大会に向けて、直前まで原因究明やプログラムの調整を続けました。

試合直前までロボットの調整

13時から予選がスタートし、工学院大学ロボットプロジェクトの一試合目は、千葉大学と対決。直前まで続けた調整が間に合い、ディフェンスロボットは相手の妨害、スローイングロボットは試合開始直後に4本の矢を発射しました。一試合目・二試合目ともに得点にまでは届かず、予選敗退しました。

スローイングロボットで矢を放つ
矢を回転させ、敵の攻撃を妨害するディフェンスロボット

先輩たちの知識・経験を引き継いで、4年ぶりに「NHK学生ロボコン」本選の場に立てたことが、次につながる貴重な経験になりました。大会は終了したばかりですが、次年度の大会に向けて次世代への引継ぎを進めます。大会への連続出場はもちろん、勝利を手にするために一丸となって取り組みます。

工学院大学ロボットプロジェクト代表 一杉 昂樹さんコメント

本選への出場が決定したときには、うれしさはもちろんですが驚きと大会に向けてのプレッシャーが襲ってきました。選ばれたからには、強豪校に負けないいい試合をしたいと思い、優勝を目指してチームで取り組んできました。トラブルもあり悔しい結果にはなりましたが、大会の中で大学の垣根を超えて、ロボットについて語り合い、刺激を受けたことがなにより楽しく有意義な時間でした。 コロナ禍で直接会えない日々が続く中、チームリーダーとしてチーム全体のモチベーションを保つことに苦労したこともありましたが、ここまで一緒にやり遂げてくれたメンバー、そして支えてくださった関係者の皆様に心から感謝しています。