工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)の田村雅紀教授(建築学部建築学科)は、東京大学の野口貴文教授らとの共同研究により、水とCO2と廃コンクリートだけで完全リサイクルを可能とするコンクリートを製造する基礎技術を開発しました。自立型のカーボンニュートラル化に資する次世代型コンクリートの開発に一歩近づく成果です。
研究詳細
研究名 | NEDOムーンショット型研究開発事業「C4S研究開発プロジェクト」
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プロジェクトリーダー | 国立大学法人東京大学 野口 貴文(大学院工学系研究科 建築学専攻 教授) |
共同研究者所属 | 東京大学、北海道大学、太平洋セメント株式会社、東京理科大学、宇都宮大学、工学院大学、清水建設株式会社、増尾リサイクル株式会社 |
本研究のポイント
- 大気中の二酸化炭素(CO2)と水とカルシウム(Ca)を含む使用済みコンクリートのみを用いて、砕かれた使用済みコンクリートの粒子間に炭酸カルシウム(CaCO3)を析出させることにより、コンクリートが硬化するという新たな基礎的製造技術の開発を行った。
- この手法を用いると、使用済みコンクリートが過去に排出したCO2と最大で同等程度のCO2を固定化できるため、コンクリートはカーボンニュートラルとなる可能性を有している。
- 薄く大気中に広がって存在しているCO2と、全国各地に存在しているコンクリート構造物中のCaの地産地消的な有効利用が可能になるとともに、建設分野のCO2排出削減に大きく貢献することが期待される。
- このコンクリートは何度でもリサイクルできる、完全な資源循環型である。
資源循環について
本課題では、二酸化炭素(CO2)と水とカルシウム(Ca)などを資源として位置づけ、今までにない新しいコンクリートの循環系を提案しています。工学院大学の田村雅紀教授(建築学部建築学科)を中心に検討が進められ、今回開発されたカルシウムカーボネートコンクリート(CCC)製造前の段階から、再度のリサイクルの段階までの全体のシステムを可視化し、資源循環性を評価する試みを検討しています。コンクリート分野の自立型カーボンニュートラル性の構築に向けた具体的な解決策を提示しています。
取材に関するお問い合わせ | 学校法人 工学院大学 広報課 担当:堀口・樋口・松本 E-mail: gakuen_koho[at]sc.kogakuin.ac.jp TEL: 03-3340-1498 |
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