佐藤光史 学長式辞

2015/04/01

祝辞

工学院大学に入学された皆様、そしてご両親、御親族の皆様方に、教職員を代表いたしまして、心からお祝い申し上げます。ご入学おめでとうございます。本日は、ご来賓ご列席の下、教職特別課程の皆さんにも一堂に会して頂き、満開の桜の中で入学式を挙行できますことを、大変うれしく思っております。皆さんが工学院大学に入学されたことは、私たちの大きな喜びであり、ここに心から皆さんを歓迎いたします。

学園・大学の理念

工学院大学は、その理念、すなわち大学のありたい姿として、「無限の可能性が開花する学園」を掲げています。もちろん、可能性を開花するのは、今日、入学された皆さんをはじめとする、本学で学ぶすべての学生です。
この理念は、3年前に学園創立125周年を記念して、さらなる未来に向けた発展を目指して掲げられたものです。それまでの主に研究活動に関する「持続型社会をつくる科学技術をめざす」としていた理念を、より大きく包み込むものです。
新入生の皆さんには、先ずこの理念を胸に刻んで頂きたいと思います。そして、充実した基礎・教養教育と高度な研究活動に基づく専門教育を併せもつ本学の特色ある教育によって、教職員や先輩たちと一緒に、皆さん自身がもつ無限の可能性を開花させ、世界と協調して発展する科学技術立国・日本を支える人材に大きく育ってほしいことを最初にお願いいたします。

工学院大学の教育

工学院大学は、今申し上げたような「自らの可能性を開花させる」意欲をもつ学生を受け入れ、社会で活躍できる力を備えて、一人一人に自己実現してもらうことを目標に、教職員が一丸となって教育に当たっています。学部・学科ごとにカリキュラムを体系化しており、豊富な演習・実験等の他に、ハイブリッド留学なども交えながら、教育を展開しています。特に新入生の皆さんにとっては、基礎科目を習熟できる学習支援センターなども充実しており、これからの大学生活を円滑に過ごすことができるように、さまざまに配慮していますので、安心して望んでください。

八王子キャンパス

大学の活動を支えるキャンパスについて簡単にご紹介しましょう。
情報学部以外の皆さんは、最初の2年間をこの八王子キャンパスで過ごします。豊かな自然に囲まれた21万平方メートルの広大な敷地に、教育と研究のための施設がそろっています。工学院大学は、現在八王子市内にある23の大学などの高等教育機関の中で、最初にキャンパスを開発した大学です。
今、入学式を行っているのは、ここ創立115周年記念体育館です。野球場やグラウンドは人工芝で、弓道場やボクシング場もあります。皆さんが多用する総合教育棟は、安心できる免震構造で、昨年、由緒ある賞を授与された優れた建築物です。

新宿キャンパス

新宿キャンパスは、地上29階、地下6階建で、25年前に日本初の高層キャンパスとして完成しました。新宿駅から徒歩5分で、工学院大学のニックネームのTokyo Urban Techは、この高層ビルに由来しています。
このように、本学は二つのキャンパスにさまざまな施設や設備を備えています。

社会人基礎力を身に付ける

大切なことは、これらを積極的に活用して、社会において活躍するための力を身に付けることです。
そのような力として、社会人基礎力、学士力や人間力などが使われます。たとえば、経済産業省が示している社会人基礎力は、考え抜く力や、チームで働く力、前に踏み出す力などです。
大学では、できるだけこれらの能力がふだんの授業でも身に着けられるように、教育プログラムを用意しています。

創造活動・部活動・社会貢献

さらに、部活動や創造活動などの課外活動にも参加することによって、より強い社会人基礎力を身に着けて頂けるものと考えています。また、本学は日本最大規模の科学教室をはじめとする幅広い社会貢献活動を行っており、参加学生が飛躍的に成長する良い機会になっています。皆さんも、これらの自主的な活動にぜひ積極的に参加して、社会性を育んでください。

研究拠点としての工学院大学

さて、本学は、活発な研究活動によって、教員や大学院生がたくさんの重要な研究成果を挙げており、多くの学会賞の受賞につながっています。また、海外の大学ともシンポジウムなどで実質的に共同しており、学内でノーベル賞学者と学生との直接的な交流も実現しています。国の補助による4つの先端的な研究センターや産学共同研究センターも、社会に求められる研究拠点として重要です。

大学院の奨め

このような世界トップクラスの優れた研究施設や設備をもつ本学は、大学院への進学を奨励しています。大学院では授業科目の履修と共に、研究を通したさまざまな力が身に付くからです。実際、研究者や、一流企業への就職がしやすくなるだけでなく、社会における成長も大きいと言われています。
本学は大学院生の国際学会発表を奨励しており、年間で約100件に達する海外渡航費を補助しています。また、ティーチングアシスタント制度によって経済的に支援するだけでなく、学費を30年近く据え置き、学部の2/3に抑えて進学を奨励しています。
多くの皆さんが今から大学院を目指し、可能性をより大きくして頂きたいと期待しています。

キャリア支援・人格形成

工学院大学は、初年次からのキャリア教育をはじめ、就職支援に万全の体制を整えています。卒業生の独創性の高さや、きめ細やかな支援体制は社会において高い評価を得ています。国内外で活躍している10万人といわれる校友、卒業生のネットワークは、キャリア支援においても強力なものです。皆さんは卒業すると、校友会の会員となり、仲間として助け合うことができるようになります。
また、ご父母が中心となって運営する後援会があります。後援会は、大学生活が有意義になるように大学と連携して頂いており、教職員とのコミュニケーションによって、皆さんの人間的な成長を促進する上で大きな役割を果たしています。ご父母の皆様には、積極的にご参加頂きたいと思います。

「工」の精神

工学院大学前身の「工手学校」は、渡邊洪基先生によって明治20年に設立されました。当時は近代工業を発展させることができる実践的な技術者はほとんどいなかった時代で、社会の期待を一身に背負って産声を挙げました。当時の「工」の精神を脈々と受け継ぎ、実践力をもつ技術者育成によって、永く社会に貢献してきました。
現代は、新たなイノベーションが求められている時代です。本学は「工」の精神を大切にしながら、新学部設置などの未来に向けた多様な改革を実行して、優れた理工系人材を継続的に育成し、社会の発展に貢献する高等教育機関です。
このような長い歴史をもち、かつ未来を志向する大学において学ぶことを誇りに、皆さんが自らの「無限の可能性を開花させよう」という前向きな気持ちをもち、充実した学生生活を送ることをお願いして、私の式辞と致します。
 
ご入学、誠におめでとうございます。