入学式式辞 佐藤光史学長

2016/04/01

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祝辞

工学院大学ならびに大学院に入学された皆様、そして親御様はじめ、ご家族の皆様方に、教職員を代表いたしまして、お祝いを申し上げます。ご入学おめでとうございます。心より皆さんを歓迎いたします。本日ここに、大学、大学院、そして教職特別課程の皆さんも一堂に会し、多数のご来賓ご列席の下、まさに満開の桜の中で入学式を挙行できますことを、大変うれしく存じております。

学園・大学の理念

このような工学系総合大学である工学院大学は、教育理念、すなわち大学のありたい姿として、「無限の可能性が開花する学園」を掲げています。もちろん、可能性を開花するのは、今日、入学された皆さんをはじめとする、本学で学ぶすべての学生です。この理念は、学園創立125周年を記念して、さらなる未来に向けた発展を目指して掲げられたものです。「持続型社会をつくる科学技術をめざす」研究理念と併せて、本学の基本となる理念です。
新入生の皆さんには、先ずこの理念を胸に刻み、また大学院に進学した皆さんにも改めて確認して頂きたいと思います。そして、充実した基礎・教養教育やグローバル化に対応できるキャリア教育、ならびに高度な研究活動に基づく専門教育を併せもつ本学の特色ある教育によって、教職員や先輩たちと一緒に、皆さん自身がもつ「無限の可能性を開花させ」、世界と協調して発展する科学技術立国・日本を支える人材に大きく成長して頂くことを先ずお願いいたします。

工学院大学の教育

工学院大学は、今申し上げましたように、科学技術の分野において「自らの可能性を開花させる」意欲をもつ皆さんが集まり、実社会で活躍できる力を備えて、一人一人に自己実現してもらうことを目標として、教職員が一丸となって教育に当たっています。ふだんから、豊富な演習・実験・実習などに加えて、特色あるハイブリッド留学なども交えながら、充実した学部・大学院教育を展開しています。
特に、学部新入生の皆さんが大学生活を円滑にスタートできるように、さまざまに配慮していますので、安心して下さい。ぜひ、新しい仲間や先輩、教職員と積極的にコミュニケーションを取り、学びを中心とする学生生活を大いに楽しんでください。学部新入生の先輩にあたる大学院に入学した皆さんには、どうぞ新入生の新しいキャンパスライフへの積極的な応援をお願いいたします。先ずは互いに「挨拶」し合うことが大切なのは、どのような社会においても同じことです。

八王子キャンパス

さて、大学の教育・研究活動を支えるキャンパスを簡単にご紹介しましょう。
学部生の皆さんは、最初の2年間をこの八王子キャンパスで過ごします。豊かな自然に囲まれた広大な敷地に、教育と研究のための施設がそろっています。工学院大学は、現在の学園都市・八王子市にある20を超える大学などの高等教育機関の中で、最初にキャンパスを開拓した大学です。
今、入学式を行っているのは、ここ創立115周年記念体育館です。野球場やグラウンドは人工芝で、弓道場やボクシング場もあります。皆さんが多用する総合教育棟は、安心できる免震構造で、創立125周年を記念して4年前に竣工し、由緒ある賞を授与された優れた建築物です。
一昨日竣工したばかりの新4号館と現在建設中の新2号館は最新の教育・研究施設として、皆さんが活動するために大活躍するものです。八王子をBig Westと表現することがありますので、このキャンパスは、Big West Innovationキャンパスと言えるでしょう。大いに活用してください。

新宿キャンパス

新宿キャンパスは、地上29階、地下6階建で、日本初の高層キャンパスです。新宿駅に近く、工学院大学のニックネームのTokyo Urban Techは、この高層ビルに由来しています。羽田空港までは、バスで30分もあればアクセスできるので、Global Gate Campusと呼ぶに相応しいものです。ぜひ、グローバルな視野をもって、皆さんの可能性を拡げてください。
このように、本学は二つのキャンパスにさまざまな施設や設備を備えています。

社会人基礎力・創造活動・部活動・社会貢献

大切なことは、これらを積極的に活用して、社会において活躍するための力を身に付けることです。そのような力として、たとえば、経済産業省が示している社会人基礎力は、考え抜く力や、チームで働く力、前に踏み出す力などです。大学では、これらの能力がふだんの授業などで身に着けられるように、教育プログラムを用意しています。
さらに、部活動や創造活動などの課外活動にも参加することによって、優れた社会人基礎力を身に着けて頂けるものと考えています。日本最大規模の科学教室をはじめとする幅広い社会貢献活動にも、積極的に参加してください。これらの活動には、大学院生の皆さんも多数参加しており、学内で社会性を育むことができる絶好の機会です。

研究拠点としての工学院大学

本学は、活発な研究活動によって、教員や大学院生がたくさんの重要な研究成果を挙げており、多くの学会賞の受賞につながっています。また、海外の大学ともシンポジウムや留学などで交流しており、学内でノーベル賞学者と学生との直接的な交流も実現しています。国の補助による先端的な研究センターや産学共同研究センターも、社会に開かれた研究拠点として大切で、地域連携や他大学との連携も盛んです。

大学院の奨め

このような世界トップクラスの優れた研究施設や設備をもつ本学は、大学院での学びをお薦めしています。大学院では、授業科目の履修と共に、実践的な研究活動を通して飛躍的に成長できるからです。実際、研究者や、一流企業への就職がしやすくなるだけでなく、社会における成長も大きいと言われています。
大学院生による国際学会発表に対しては、年間で約100件もの海外渡航の費用を補助しています。さらに、ティーチングアシスタント制度は、経済的な支援のためだけでなく、教える立場になることによって、大学院生自身の成長にも役立っています。
学部に入学した皆さんには、今日ここに出席している多くの先輩たちを目標として、大学院への進学を意識しながら、自分自身の可能性をより高めて頂くことを期待しています。

キャリア支援・人格形成

工学院大学は、初年次からのキャリア教育をはじめ、就職支援に万全の体制を整えています。先ごろマスコミで発表された最近の就職率では、全国約800大学の内、総合で第30位、首都圏理工系大学の女子学生就職率は、本学がトップと発表されたことは、大変元気付けられることです。
工学院大学が新制大学になってから卒業した 国内外で活躍している8万人を超える校友のネットワークは、キャリア支援においても強力なものです。皆さんは卒業すると、校友会の会員となり、仲間として助け合うことができるようになります。
また、ご父母が中心となって運営する後援会があります。後援会は、大学生活が有意義になるように教職員と連携頂いており、皆さんの人間的な成長を促す上で大きな役割を果たしています。

「工」の精神

さて、工学院大学前身の「工手学校」は、渡邊洪基先生によって明治20年に設立されました。当時は近代工業を発展させることができる実践的な技術者はほとんどいなかった時代で、社会の期待を一身に背負って産声を挙げました。建学の理念である「工」の精神を脈々と受け継ぎ、実践的な技術者育成によって、永く社会に貢献してきました。
現代は、新たなイノベーションが求められている時代です。本学は「工」の精神を大切にしながら、新学部設置などの未来に向けた多様な改革を実行して、優れた理工系人材を継続的に育成し、社会の発展に貢献する高等教育機関として邁進しています。
このような伝統をもち、かつ未来を志向する大学において学ぶことを誇りに、皆さんが自らの「無限の可能性を開花させよう」という前向きな気持ちをもって、充実した学生生活を送ることを期待して、私の日本語での式辞と致します。
本日は、ご入学、誠におめでとうございます。
2016年度工学院大学第68回入学式を挙行しました
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