史上初!工学院大学 紀基樹 客員研究員らの国際研究チームが“ブラックホール”の撮影に成功
2019/04/12
【本件のポイント】
- 紀基樹 客員研究員らの参加する国際研究チームが、「イベント・ホライズン・テレスコープ」を用いて、「ブラックホールシャドウ」の撮影に史上初めて成功。
- 「ブラックホールシャドウ」画像は、アインシュタインの一般相対性理論に基づく「回転するブラックホール(カー・ブラックホール)」近くの強い重力が予言する現象と一致。リング構造の非対称性は、ブラックホールの回転の影響による可能性が高いことが示唆された。
【本件の概要】
今回観測されたブラックホールシャドウの画像は、理論モデルとの比較に基づくと、アインシュタインの一般相対性理論で予言される「回転ブラックホール(カー・ブラックホール)」で説明でき、リング状構造の直径は「ブラックホールの質量」、明るさの非対称性は「ブラックホールの回転」の影響による可能性が高いことが示唆されました。
日本チームは、観測装置や解析ソフトウェアの開発に大きく貢献し、中でも紀研究員は、得られたブラックホールシャドウの画像を物理的に解釈するための理論研究に大きく関わりました。
「今後は、別の国際観測プロジェクト「東アジアVLBIネットワーク (EAVN)」で得られた観測データを組み合わせることで、ブラックホール近傍で起こるエネルギッシュな天体現象の謎に迫りたい」と紀研究員は語っています。同研究員は東アジアVLBIネットワークAGN科学WGの代表として観測を進め、加えて、科研費基盤研究C「一般相対論的輻射輸送計算と電波VLBI観測で探るブラックホールジェットの駆動機構」によるサポートを受け、ブラックホールに関する研究を推進しています。
取材に関するお問い合わせ | 学校法人 工学院大学 総合企画部広報課 担当:松本・堀口・樋口 E-mail: gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp TEL: 03-3340-1498 |
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