小川准教授(工学部)、車体を傷つけずに溶接部寿命が測定できる手法を公開

2022/10/07

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工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)の小川 雅 准教授(機械システム工学科)は、自動車のスポット溶接部の寿命評価に関する研究を進めており、10月4日から31日までオンライン開催される「イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online」(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)にて公開しています。

  • 小川雅 准教授による、ひずみデータを利用して部材全域の残留応力を導く手法(イメージ図)
【プレスリリース】自動車製造現場で車体を傷つけずに溶接部寿命が測定できる手法をイノベーション・ジャパン2022で公開 [551KB]

この技術は、自動車製造現場で多く利用されているエックス線回折装置を用いて、抵抗スポット溶接部全域の3次元残留応力について、車体を傷つけることなく推定できます。エックス線回折法では部材表面のみの計測に限られ、中性子回折法は専用施設での計測となり現場ではできません。小川准教授による手法では、製造現場でどんな深さでも内部の非破壊評価ができます。スポット溶接部の3次元残留応力を現場で非破壊に評価できれば疲労強度がわかるため、十分な安全性を確保しつつ、車体の軽量化を図ることが可能となります。部材表面のひずみを計測し、その値から部材全域の残留応力分布を推定します。

※10月18日追記:なお、本研究は、 日刊自動車新聞10月17日付記事 「クルマづくりの課題克服を支援-JST「大学見本市」オンライン開催中-」内で紹介されました。

研究者コメント:小川 雅 准教授(工学院大学 工学部 機械システム工学科)
車種にもよりますが、自動車には約5000点のスポット溶接が施されます。そのうち、約10点が比較的疲労強度に影響を及ぼします。この研究では、その約10点に対して余寿命予測を行う方法について取り組んでいます。自動車に限らず、新幹線の台車や航空機材料、その他機械・設備関連でもお役に立てる技術と考えています。必要なパラメータは、材質(ヤング率、ポアソン比)と形状のみで計測可能です。

■「イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online」概要

一般公開期間 2022年10月4日(火)~10月31日(月)
主催 国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
URL https://innovationjapan-jst-nedo.jst.go.jp/
※サイト閲覧およびセミナ—聴講予約には「参加登録」が必要。
該当技術について 出展エリア :大学見本市、大学等シーズ展示
出展分野  :マテリアル・リサイクル
出展番号  :JZ-07
展示タイトル:自動車の軽量化のためのスポット溶接部の余寿命評価

【特許情報】 
名 称 :残留応力推定方法、残留応力推定システムおよびプログラム
出願者 :学校法人工学院大学
発明者 :小川 雅
出願番号:特許第6283866号

イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online 公式サイト

技術関連、産学連携に関するお問合せ 工学院大学 総合企画部 産学連携室
      TEL: 042-628-4928
      E-mail: sangaku@sc.kogakuin.ac.jp
      HP: お問合せページ
取材に関するお問合せ 工学院大学 総合企画部広報課
      担当:堀口・樋口
      TEL: 03-3340-1498
      E-mail: gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp
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