—初の実質内製マシン「CYGNUS」で挑む、学生主体の技術革新—
工学院大学(学長:今村 保忠、所在地:東京都新宿区/八王子市)の学生プロジェクト「工学院大学ソーラーチーム」が2025年8月にオーストラリアで開催される世界最高峰のソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge(BWSC)2025」に出場します。本学は前回大会(2023年)以来、通算6度目の出場となります。
2013年の初参戦から10年以上の経験と、前回大会の反省を活かし、車両の設計・製作において大きな進化を遂げました。はくちょう座を意味する新車両「CYGNUS(シグナス)」は、製作過程のほとんどを学内設備で行ったチーム史上初の車両で、軽量化と整備性を追求し構造をシンプルにしたことが最大の特徴です。培った経験と技術を進化させ、今大会で初優勝を目指します。
■車両の特徴
今大会に投入するシグナスは、「内製化」と「構造のシンプル化」を追求したマシンです。ボディに使用する炭素繊維の積層や焼成は学生が自作した炉で行い、タイヤ周辺の金属部品も学内の「ものづくり支援センター」で5軸マシニングセンタを用いて加工。これまで外部の専門企業に依頼していた工程のほとんどを学内で担ったのはチーム創設以来、初の試みです。
また、構造設計においては、軽量化と整備性を両立させました。これまでのノウハウを生かし、ソーラーパネルの配置や配線をシンプルにし、レース中のメンテナンスのしやすさと軽量化を実現。整備のしやすさとトラブル時の可視性を大幅に向上させています。
デザインは投票で決定されたカタマラン型(双胴型)の3輪レイアウトを採用。ボディを左側に傾けた非対称構造は横風を受け流し、空気抵抗の低減と安定した走行性能の両立を図っています。バッテリーや電装部品も左寄せで配置され、重量バランスと操縦安定性が最適化されています。
■工学院大学ソーラーチーム関係者のコメント
車体担当者:井上 隼輔(工学部 機械工学科3年)
前回の反省を生かし、トラブルに強く、軽いソーラーカーを目指しました。空力、重量、剛性など、総合的に見てバランスの良い車体となりました。オーストラリアの過酷な環境においても、チームメンバーとパフォーマンスを発揮できると確信しています。サポート企業や大学の皆様をはじめ、多くの方々からの支援に感謝し、上位入賞を目指してチームメンバー一丸となって全力を尽くします。
監督:濱根 洋人(工学部 機械システム工学科 教授)
「Designed by 工学院大学、Made at 工学院大学」─。その言葉を体現するかのように今回、実製作の多くを学内で完結させたのはチームとして初の試みです。企業に頼らず学生たちの力だけで仕上げたシグナスは、これまでで最も学生主体と言える車両です。経験と技術を受け継ぎ、学びながら成長する彼らの姿こそ、プロジェクトの意義そのもの。山あり谷ありの連続でしたが、今思えばそれほど辛くはなかったように感じます。 オーストラリアの地をこのソーラーカーが走る姿を、ぜひ楽しみにしていてください。
■工学院大学ソーラーチーム
工学院大学ソーラーチームは、太陽光を動力源とするソーラーカーを学生主体で開発・製作するプロジェクトチーム。八王子キャンパスの「ソーラービークル研究センター」を拠点に、設計・広報・財務の3部門で約100名が活動。レースへの挑戦を通じて、次世代エンジニア育成と再生可能エネルギーの社会実装に貢献しています。
開催期間 | 2025年8月24日(日)~31日(日) |
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開催場所 | オーストラリア(ダーウィン~アデレード) |
主催者 | 南オーストラリア州政府 |
大会タイトルスポンサー | 株式会社ブリヂストン |
URL | https://www.bridgestone.co.jp/bwsc/ ![]() |
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