2025年9月に九州大学で開催された2025年度日本建築学会大会(九州)学術講演会において、建築学専攻修士1年の奥山雄大さん、沼田千晴さん(ともに山下研究室・山下哲郎教授)が構造部門(シェル・空間構造)の若手優秀発表賞を受賞しました。
奥山雄大さん
研究題目:杉を用いた初期曲げアーチの形状形成直後の応力弛緩の実測
奥山さんの研究は、薄く平坦な木材を弾性域で曲げ、層状に重ねて曲面を形成するいわゆる Bending-Activeラチスシェル構造において、木材特有の応力弛緩、それも形状形成後に比較的短時間で生じる応力弛緩に注目し、実際にアーチ状に弾性座屈させた杉の製材の軸力を継続的に計測し、数日の間に軸力が2割~5割程度減少することを明らかにしました。既往の研究がほとんどないこの構造の応力弛緩に関する新しい知見を得ることができた点が高く評価されました。
沼田千晴さん
研究題目:単層ラチスドームに曲げモーメントを発生させる荷重分布の探索
ナゴヤドームのような単層骨組で構成されるラチスドームにとっては、不均等な積雪による荷重が最もクリティカルな荷重となります。沼田さんの研究は、ラチスドームに最も不利となる積雪荷重分布を、ドームを構成する骨組の曲げひずみエネルギーを最大化する荷重分布と定義し、荷重を級数展開したモードの重ね合わせとし、遺伝的アルゴリズムを用いて、ナゴヤドーム型の3方向ラチスドームと西武ドーム型の2方向ラチスドームについて、最も不利な荷重分布を探索しました。ラチスドームの設計荷重を定める上で重要なテーマであるものの既往の類似研究はほとんどなく、新規性と実用性の両面で高く評価されました。

