1月15日に新宿キャンパスで「ジェロンテクノロジー・シンポジウム」を開催しました。
工学院大学は、2019年4月より共生工学研究センター(仮称)を開設し、今後超高齢社会の課題解決を図る学部・学科横断型の教育・研究プログラムを実施します。
このシンポジウムはキックオフイベントとして開催され、企業の方をはじめ医療や大学の関係者など約200名が参加しました。
佐藤光史学長の開会挨拶では、国連サミットが掲げる「SDGs」(持続可能な開発目標)や日本の超高齢社会の現状について紹介があり、この4月から試行される学部・学科横断型教育・研究の意義について説明がありました。
第1部では「すべての人のための共生工学研究とその発展」をテーマに、建築ロボット工学専門のトマス・ボック教授(ミュンヘン工科大学)が基調講演を行いました。
日本では近い将来に、重大な介護スタッフ不足が懸念されており、その介護スタッフの代わりとなって要介護者を支援する世界最先端の技術を備えた家具・装置やロボットについて、紹介がありました。
要介護者自身の健康状態も管理可能な機能が内蔵された家具や装置、そして身体能力が不十分で限られた範囲しか移動できなくても、社会とコミュニケーションがとれて、活き活きとした生活を毎日送ることができる居住環境など、身体のみの介護を超えたサポートを行う技術の開発が既にEU諸国では進んでいることの紹介があり、EU諸国ではこれらの具体的な実社会への適応が既に進んでいることが述べられました。
第2部のパネルディスカッションでは、4つの各学部から教員が2名ずつ登壇し、それぞれのジェロンテクノロジーにつながる研究領域についてのショーケースを実施しました。
第2部パネルディスカッション 登壇者
工学部
菱田博俊准教授(機械工学科)、福岡豊教授(電気電子工学科)
建築学部
柳宇教授(建築学科)、境野健太郎准教授(建築学科)
情報学部
管村昇教授(情報デザイン学科)、近藤公久教授(情報デザイン学科)
先進工学部
山田昌治教授(応用化学科)・堀内邦雄准教授(機械理工学科)
ファシリテーターの長澤泰特任教授は、本学には数多くの研究室があり、ジェロンテクノロジーについて学部・学科横断型で教育・研究を行って、横のつながりを深めることは、大きな可能性を秘めていると期待感をもって語っていました。
最後に、渡部隆史副学長より閉会の挨拶があり、お集まりいただいた方々に感謝の意が述べられました。