建築学科の富樫英介准教授が、論文「設備システムの省エネルギー化が不動産価値に与える影響の定量的評価方法に関する研究」で、空気調和・衛生工学会の令和元年度第58回論文賞(学術論文部門)を受賞しました。
富樫先生コメント
建築の環境性能を高めることでエネルギー消費を削減することは重要ですが、現実の社会でこれを実現するためには、経済的にも合理的であることが必要です。一般に投資家は、その投資対象にどの程度のリスク(期待収益率がどの程度ばらつくのか)があるのかを投資の判断材料に使います。しかし、従来の建築エネルギー消費予測は、このようなリスクを表現できない計算体系となっていました。そこで本研究では、オフィスビルにどのようなテナントが入居するのか、執務者がどのような行動を取るのか、外気の条件はどのように変動するのか、を確率的にモデル化し、建築の省エネルギー投資が持っているリスクを定量的に評価しました。また、金融工学的分析の具体例として、算出したリスクと期待収益率を使うことで、複数の建築省エネルギー手法に対して最適に投資を配分する方法を示しています。
対象業績
- 設備システムの省エネルギー化が不動産価値に与える影響の定量的評価方法に関する研究
- 第2報—省エネ投資リスク評価のための確率的気象モデルの開発(№221)
- 第3報—省エネ投資リスク評価のための確率的執務者行動モデルの開発(№240)
- 第4報—テナント属性の確率モデルの開発(№253)
- 第5報—モンテカルロ法を用いた省エネ投資リスクの定量化と評価方法(№255)