本学教育推進機構の武藤恭之准教授が参加し、2016年に日本天文学会欧文報告紙(Publications of the Astronomical Society Japan)に掲載された研究論文「Mass constraint for a planet in a protoplanetary disk from the gap width」が、2020年度の日本天文学会欧文研究報告論文賞を受賞しました。本論文は、若い星の周囲に存在する原始惑星系円盤の中に惑星が存在した時、円盤のガスや塵の分布がどのように表されるかを議論したもので、原始惑星系円盤の詳細構造の観測と理論をつなぐモデルを提唱したものです。本研究で提唱されている手法は、海外の研究においても応用されています。
本論文の著者と出版時の所属は以下の通りです:
金川和弘(北海道大学、主著)
武藤恭之(工学院大学)
田中秀和(北海道大学)
谷川享行(産業医科大学)
竹内拓(東京工業大学)
塚越崇(茨城大学)
百瀬宗武(茨城大学)
受賞コメント
この論文は、アルマ望遠鏡によって原始惑星系円盤の詳細な構造が観測され始めた当時に行った研究です。当時、原始惑星系円盤に溝状の構造が存在することが明らかになってきており、これをどのように解釈をするか、様々な議論がありました。本論文で提唱したようなモデルを通じ、原始惑星系円盤における惑星の形成シナリオを描き出せることを期待しています。