まちづくり学科の村上研究室は、2022年9月10日-11日、「みたか防災マルシェ」にブースを出展し、防災について考えるきっかけにしてもらうため、毛布を使った担架や流さないトイレなど、災害が起きたときに役立つ技術と技を来場者に伝えました。
みたか防災マルシェは今年で3回目のイベントで、会場となったSUBARU総合スポーツセンターには、29の出展団体、14のワークショップ・体験コーナーが集まり、2日間で2300名が来場しました。村上研究室(指導教員:村上正浩教授)は、所属学生の発案でこのイベントへの参加を決め、4つのブースで学生が説明しました。
避難所での避難空間の体験ブースでは、災害時に避難した時、一人当たりの面積を体感してもらいました。テント型の間仕切りとダンボールベッドは、三鷹市が備蓄する物を実際に活用し、避難所生活で個別に使いそうなハンガーや運動靴などは、学生が私物を持ち込んでリアルな空間を創り出しました。研究室では独自にプリント「避難所、避難場所について知ろう」を作成して配布。避難施設と避難所生活で必要なもの、これからすべきことをブース来訪者に説明しました。来場者からは「ファミリールームが準備されていて安心した。」「ベッドは、結構固いなぁ。自分の避難袋にはクッションを入れるほうが良さそう。」などの声が聞かれました。
毛布で担架を作る体験ブースは、カエルの人形を寝かせて運ぶ様子を見た方々が徐々に足を止め、多くの方が参加しました。長い棒に毛布を折り畳むだけで完成するので、親子・姉妹などのペアが、「たった2つの物だけで担架ができるなんてびっくり」「前の人は担架に背中を向けるほうが歩きやすそう」「毛布の代わりに長袖の上着を2枚使ってもいいんだね」と気付きを得ていました。
断水時のトイレについて考えるブースでは、ビニールをかけた便器に、新聞紙やペットシート、凝固剤などを入れて流さないトイレを体験してもらいました。まずは参加者に便器に汚物を模したコーヒーを入れてもらい、それぞれの吸水効果や消臭効果を体感しました。「新聞紙だけだと少しにおうけど、ペットシートや凝固剤だとあまりにおわない。たったこれだけの事なのに。」「においがあっても、防臭袋にいれておくとほとんどにおわないね。」「考えたこと無かったけれど、確かに重要なこと」「早速帰って備蓄品に入れておきます」など、納得した面持ちになりました。これまで災害後のトイレについてほとんど考えていなかったという方がほとんどだったこともあり、他のブースに比べると、じっくり時間をかけて聞く方が多い印象でした。
新聞紙でスリッパと器を作るブースは、お子さんから高齢の方まで幅広い世代が、折り紙を折る感覚で楽しく製作しました。企画した学生は、「会場では器に食品を入れなかったので、ぜひご自宅でもう一度作って、簡易食器として試してほしい」と声をかけていました。