鈴木敏彦教授(建築デザイン学科)の書籍『黒川紀章のカプセル建築』(文:鈴木敏彦/写真:山田新治郎/デザイン:舟山貴士/編集・英訳:杉原有紀/アートディレクション:鈴木敏彦、2022年4月発行)が、「日本タイポグラフィ年鑑2023ブック・エディトリアル部門」でベストワーク賞を受賞しました。『日本タイポグラフィ年鑑』は印刷物と活字のデザインを日本タイポグラフィ協会の審査委員が審査し、優秀作を表彰する総覧で、その年を代表するグラフィックデザインや出版物が収録されます。
受賞コメント
黒川紀章のメタボリズム(新陳代謝)の理念を書籍として継承
『黒川紀章のカプセル建築』の装丁のモチーフは中銀カプセルタワービルです。著者の鈴木敏彦は「全てが建築だ」という思想のもと、「本も建築だ」と考えました。デザイナーの舟山貴士は、表紙扉に厚口のボール紙を選び、エンボス加工でカプセルのシルエットを表現し、丸窓からカプセル宣言の英文テキストがのぞくように構成しました。また、ビルのエントランスの配色を、黒インクと銀の箔押しでカバーとして再現し、当時の近未来感を表現しました。背幅の糸綴りが見えるコデックス装には武骨な存在感と、ページが良く開き、見開きの写真が中央まで見える利点があります。カバー写真のカプセルハウスKは、中銀カプセルタワービルの竣工の翌年、同じ4つのカプセルを用いて黒川が自身のために建てた別荘です。モダニズム建築の撮影を得意とする山田新治郎が撮り下ろした写真の数々が、立地やインテリア、丸窓の細部までを伝えます。中銀カプセルタワービルは惜しまれながらも解体されましたが、本書の出版は、カプセル建築のミームを多くの読者に伝える一助になったのではないかと考えています。
黒川紀章のメタボリズム(新陳代謝)の理念を書籍として継承
『黒川紀章のカプセル建築』の装丁のモチーフは中銀カプセルタワービルです。著者の鈴木敏彦は「全てが建築だ」という思想のもと、「本も建築だ」と考えました。デザイナーの舟山貴士は、表紙扉に厚口のボール紙を選び、エンボス加工でカプセルのシルエットを表現し、丸窓からカプセル宣言の英文テキストがのぞくように構成しました。また、ビルのエントランスの配色を、黒インクと銀の箔押しでカバーとして再現し、当時の近未来感を表現しました。背幅の糸綴りが見えるコデックス装には武骨な存在感と、ページが良く開き、見開きの写真が中央まで見える利点があります。カバー写真のカプセルハウスKは、中銀カプセルタワービルの竣工の翌年、同じ4つのカプセルを用いて黒川が自身のために建てた別荘です。モダニズム建築の撮影を得意とする山田新治郎が撮り下ろした写真の数々が、立地やインテリア、丸窓の細部までを伝えます。中銀カプセルタワービルは惜しまれながらも解体されましたが、本書の出版は、カプセル建築のミームを多くの読者に伝える一助になったのではないかと考えています。
日本タイポグラフィ協会
日本タイポグラフィ協会は、1964年に結成された日本レタリングデザイナー協会を母体として、広義のタイポグラフィの発展を願って1971年に名称変更して生まれました。グラフィック・デザイナーはもとより、タイプフェイス・デザイナー、研究者、教育者など200名を越える国内・海外の会員で構成されています。文字、シンボルマーク、ピクトグラムなど視覚言語の創作と研究、それらを駆使したデザインを通してより良いコミュニケーションを追求しています。会員有志により結成された委員会を主体に、日本タイポグラフィ年鑑の発行、雑誌『タイポグラフィックス・ティー』(年4回)の発行、海外交流、セミナーや展覧会の開催、タイポグラフィに関する研究、タイポグラフィ博物館設立の運動など幅広い活動を行っています。
書籍『黒川紀章のカプセル建築』
書籍タイトル | 『黒川紀章のカプセル建築』 |
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発売日 | 2020年4月5日(火) |
定価 | 8,800円(本体8,000円+税10%) |
出版社 | Opa Press |
発売 | 丸善出版株式会社 |
著者他 | 文=鈴木敏彦、写真=山田新治郎 編集・英訳:杉原有紀(株式会社ATELIER OPA) 作図:石間克弥 アートディレクション:鈴木敏彦 デザイン:舟山貴士(舟山制作室) |
協力 | 株式会社MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO 黒川紀章建築都市設計事務所 埼玉県立近代美術館 |
お問合せ | 株式会社ATELIER OPA 杉原有紀 info@atelier-opa.com www.atelier-opa.com |
- 建築デザイン学科 鈴木(敏彦)研究室