建築学部3年前期科目「建築情報処理Ⅰ」(代表教員:建築デザイン学科 藤木隆明 教授、担当教員:冬木千枝講師、秋山照夫講師)では、建築デジタル教育の一貫として、 コンピューテーショナル・デザインを学ぶ授業が、今年度より新たに導入されました。7月24日に最終講評会が開催されました。
授業の前半では、ライノセラス、グラスホッパーなどの基本的なモデリング技術を学び、後半では応用課題に挑戦。最後に集大成となる設計課題を通して、実践的にデジタルツールを用いた建築設計の手法を習得します。海外での実務やワークショップの経験が豊富な冬木千枝講師により、世界基準の高度なデジタル教育が行われました。
最終課題のテーマは、次世代(2030-2050年)の建築。日常生活へのAI導入やメタ空間の創出、移動手段の変化など、技術革新により大きな変化を遂げた近未来が舞台です。 グループごとに3つの課題テーマから1つを選択し、SDGsに対応する機能をもつプロトタイプをシステムや生体模倣を通じて設計するというもので、そのための仮説づくりと提案を行いました。
学生たちはデジタルツールを駆使し、それぞれのテーマに対して独自の視点から課題解決に取り組みました。講評会では、教授たちが一つ一つ丁寧にフィードバックを行い、学生たちの作品をさらに深化させるためのアドバイスを送りました。
【課題テーマ】
A.交通渋滞改善のためのインフラ・景観的構造
蓮を生体模倣した木漏れ日が降り注ぐバス停など、公共交通手段をより快適で楽しいものに変える提案が、発表されました。
B.都会の孤立問題への空間的対応
持続的に人々が集まり、親子同士の交流が促進される公園など、都市の孤立を軽減し、コミュニティの絆を深める提案が発表されました。
C. 気候変動に備え極限環境の建築の考案
自給自足可能なシステムを搭載することによって、自然破壊や人口集中の解消を目指す雲の形を模した浮遊都市や、サルガッサムの生体・構造を模擬することで海面上昇に対応する水面浮遊都市などが、気候変動の影響により訪れる極限環境に柔軟に対応できる新しい解決策として発表されました。