2023年10月26、27日に室蘭にて開催されて電子情報通信学会メディアエクスペリエンス・バーチャル環境基礎研究会(MVE研究会)において、情報学専攻2年の山口貴善さん(ユビキタスセンシング研究室・三上弾准教授)がMVE賞を受賞しました。
研究題目:ゆったりとした衣服を着用した人物の姿勢推定 ~ HFRカメラと複数LEDを用いた学習データ作成 ~
受賞理由:
本研究は未踏領域であるゆったりとした衣服を着用した人物の2 次元関節位置の推定を目的とし、その最初のステップとして、ゆったりとした衣服を着用した被験者の関節位置の真値をオペレータの手作業でのアノテーションによって取得可能にする手法を提案しています。
具体的には被験者の関節位置に複数の高速で点滅する発光ダイオード(LED)を関節に装着し、その上に光を十分に透過するゆったりとした衣服を着用することで、服の内側で発光して透過するLEDライト光をハイスピードカメラで撮影しています。これにより、ゆったりとした衣服の存在下でも正しくLED 位置を認識し、安定して関節位置をアノテーション出来ることを複数オペレータによる実験で確認しています。
その結果、ゆったりした衣服着用時の関節位置推定に向けた学習データセットおよび学習モデルを構築可能となっています。本手法により著者らが目指しているスノーボード選手の姿勢推定はもちろん、ゆったりとした衣服を着用した一般生活者の姿勢推定精度の改善にも応用が可能で影響範囲が広く、実用的観点からも高く評価できます。
本研究の成果により、姿勢推定を行っている既存事業者や利用者の人的・時間的コストが削減できる未来も見えてきます。
この度、電子情報通信学会MVE賞を頂けた事、大変光栄に思います。今後も賞に恥じないように研究を発展させていく所存です。研究を進めるにあたり、共同研究先であるNTTコミュニケーション科学基礎研究所の松村聖司博士、指導教員である三上弾先生をはじめ多くの方々からご指導いただきました。この場をお借りして、お礼申し上げます。