2023年9月に京都大学で開催された2023年度日本建築学会大会(近畿)学術講演会において、建築学専攻の富田稜也さん、北牧さくらさん(ともに山下研究室・山下哲郎教授)が構造部門(シェル・空間構造)の若手優秀発表賞を受賞しました。
富田稜也さん
研究題目:木材を曲げて積層し形成する三方向籠目格子シェルの座屈 実験 その 2 解析との比較とモデル化の問題
富田さんの研究は、小断面の木材を弾性域で曲げ、籠目格子状に組み上げて構成するシェル構造の形状形成と座屈解析について、開発した構造解析手法と、八王子キャンパスで実施した実験結果との比較検証を実施したもので、解析による研究の多い当分野において、高度な実験により実証的に解析手法の検証を行った発表内容に加え、複雑な内容を分かりやすく説明するプレゼンテーションの工夫も高く評価されました。
北牧さくらさん
研究題目:水平トラスで補強した置屋根体育館の地震応答
北牧さんの研究は、東北地方太平洋沖地震や熊本地震で、大型の体育館の鉄骨屋根と下部の鉄筋コンクリート柱をつなぐ屋根支承部やその付近の屋根の鉄骨に大きな被害が生じたことを踏まえ、鉄筋コンクリート柱の柱頭に水平トラスリングを設置して柱の揺れを低減することで、屋根支承部や周辺の屋根鉄骨の破壊の原因となる柱の慣性力を軽減する新しい補強法を提案し、地震応答解析でその効果を示したもので、避難所となる体育館の安全性を高める方法として高く評価されました。