工学院レーシングチーム(KRT)は8月23日、9月に開催される「学生フォーミュラ日本大会2024」に参戦する新車両KRT24のお披露目会を開催しました。
学生フォーミュラ日本大会は、設計やデザイン、コストや走行性能に至るまで、車両開発にかかわるすべての段階が審査されるものづくりのコンペティションです。 全国から90を超えるチームが参加する中、KRTは昨年、オートクロス賞とベストラップ賞でそれぞれ2位となり、総合4位を獲得。今大会では総合優勝を狙います。
昨年に引き続き「パワフル・キビキビ・誰が乗っても早い」をマシンコンセプトとするKRT。お披露目会には、サポート企業やメディア、学内関係者など様々な方が参加しました。はじめに今村学長からご参加の皆さまに御礼のご挨拶と、学生たちに激励の言葉が贈られました。続いてテクニカルディレクターを務める大野凌さんより今年の車両KRT24の発表があり、 車両制作に関わる4つの班のリーダーが、今大会に向けた改良ポイントを説明しました。
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司会進行を行う片岡亮太さん
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車両を発表するテクニカルディレクターの大野凌さん
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大野さんと各班のリーダー
■パワートレイン班(宮原 大翔さん)
車両の動力源となるエンジンなど、駆動系を担当するパワートレイン班。昨年は冷却性能の向上や車両の軽量化を達成した一方、パワー不足が課題として残っていました。今年の車両では、エンジンの出力向上を目指し、吸気方法の変更やエアーファンネルの搭載、マフラーの材料変更による軽量化を行いました。また、ドライサンプを採用し、低重心化とエンジンの信頼性向上も図っています。
■シャシ班(加藤 悠大さん)
車両の骨格や剛性を最適化するシャシ班は、重心高や重量などの数値目標を再点検し、より適切なドライバーポジションを検討しました。ドライバーの姿勢を3DCADに落とし込み、ステアリングやペダルの距離、シートの角度など、パーツごとに精密に再調整。昨年よりドライバー姿勢を低く保ちながらも、乗りやすさを損なわない車両を実現しました。
■足回り班(森田 智紀さん)
サスペンションやコーナリング性能を改善する足回り班。コース各セクターでの優勝校とのタイム差を比較し、今年は低速コーナーでのタイム短縮を目標に掲げました。プッシュロッド・オン・サスペンションの導入に加え、部品ごとに治具を制作・改良することでサスペンション部品の加工精度を向上させており、優れたハンドリングと安定性の向上が期待されます。
■エアロ班(井澤 拓己さん)
エアロ班では、車両の空力性能やダウンフォースの最適化を担当しています。今年は、高い剛性を保ちながらのウイング軽量化とダウンフォース増加の実現を目指しました。車両周りの空気の流れを風洞実験やCFD解析で確認し、フロントウイングとリアウイングの形状や位置、材料を見直しています。大会本番でも高パフォーマンスを目指します。
お披露目会には、日ごろからそれぞれの大会優勝に向けKRTと切磋琢磨している工学院大学ソーラーチームのメンバーも応援に訪れました。 大会は、9月3日~6日のオンラインでの静的審査を経て、9月9日~14日にAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で現地開催されます。チームは大会に向けて試走と調整を重ね、悲願の優勝を目指します。
学生フォーミュラ日本大会2024
開催日時 | オンライン開催(静的審査):2024年9月3日(火)~6日(金) 現地開催(車検/動的審査) :2024年9月9日(月)~14日(土) |
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開催場所 | Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場・愛知県) |
大会公式HP | https://www.jsae.or.jp/formula/ |