12月7日、東京ミッドタウンにて、2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)の最終審査が開催され、建築学専攻修士1年の中川優奈さん(樫原研究室、指導教員:樫原徹教授)がプレゼンテーションを行いました。
同賞は、デザイン分野で新たな挑戦をする次世代の支援を目的に2022年から毎年開催されています。今年は全国606件の応募があり、「物・場・情報・仕組み」の4カテゴリーに分けて審査が行われ、8作品が最終審査に進出しました。
中川さんの作品『日常の死角に夢を見る』は、新宿の街や沿線通学路の一角に、秘密基地のような避難場所「アジール」を見出したものです。プレゼンテーションでは、都市に疲れた等身大の“私”が見つけた5つのアジールを短編ストーリー形式で紹介し、小規模で柔軟な一時的空間が、現代社会において必要な個人的空間となる可能性を示しました。
審査の結果、最優秀賞には届かなかったものの上位8組に贈られる優秀賞を受賞し、トロフィーが授与されました。祝賀会には同ニューホープ賞で入選を果たした樫原研究室の山崎翔大朗さんも出席し、お互いの成果を称え合いました。
優秀賞を受賞した8組には、今後、デザインワークショップや現場見学会などの特典が提供される予定です。
なお中川さんの同作品は、今年3月に開催されたDesign Review 2024で「藤村龍至賞」(審査員賞)を、11月に開催された学生プロジェクトデザインコンペティションで「佐竹雄太賞」(審査員賞)を受賞しています。
最優秀賞を逃した悔しさもありますが、このように評価していただけたことを嬉しく思います。ニューホープ賞の存在は、樫原研究室の先輩である新美志織さんが2022年度に優秀賞を獲得したことで知りました。
建築の課題解決は、社会問題に対して大規模な建築を用いるアプローチが多いのですが、本作品では自分の手が届く範囲や規模で実現できる、自分自身が本当に納得できる課題解決の形を模索しました。 修士研究では、多様な視点を取り入れた提案をもとに実際にアジールを製作し、建築や都市、社会の新たな在り方を探っていきたいと考えています。