20024年9月に北海道利尻島において開催された電子情報通信学会メディアエクスペリエンス・バーチャル環境基礎研究会において、情報学専攻修士1年(受賞当時)の青木真吾さん(ユビキタスセンシング研究室・三上弾教授)が筆頭著者として取り組んだ研究がMVE賞を受賞しました。
研究題目:実戦環境で利用可能な打者タイミング能力の定量化および可視化
■審査講評(一部抜粋)
本研究では、実試合環境下での野球選手のスイング映像をもとに、バッティングのタイミング能力を正確に求める手法を提案しています。本研究の特徴は、野球選手のバッティング評価を実際の試合環境の映像を元にして行う際に、事前に獲得したトラッキングシステムでの骨格情報を基準として正確に参照することで、精度の高いスイングタイミングの解析とその可視化を実現しているところです。基準となるスイングと実試合環境下でのスイングは、球速や選手の実際の動作によって異なります。その問題に対し、この二つのスイング間の時間的同定を安定して行える方法を示しているのが本研究の技術的要点の一つと評価します。 また、工学的な提案に留まらず、実験結果について、野球の専門家の観点から点検を受けてその有用性について検証している点も、スポーツ工学のような応用研究における模範的な実施例として高く評価できます。
(出典:メディアエクスペリエンス・バーチャル環境基礎研究会 公式サイト)
受賞コメント
この研究は、卒業研究のテーマとして取り組みを始め、修士でもさらなる発展を目指して継続しているテーマです。研究を進めるにあたっては、平均して週2日以上ライオンズ球場に通い、多くの議論をさせて頂きました。写真はライオンズで日頃お世話になっている皆さんに受賞を報告した際に一緒に撮影して頂いたもので、良い報告ができ大変うれしく思っています。共著者として研究をご指導してくださった埼玉西武ライオンズの北澤さん、NTTの西條さん、指導教員である三上先生にも感謝申し上げたいと思います、ありがとうございました。
なお、MVE賞は、同研究会における発表の中から、上位約1割に対して授与されるものです。