柳宇教授(建築学科)が会員数15000名を超える公益社団法人空気調和・衛生工学会で、第 60 回学会賞 論文賞を受賞しました。受賞論文は、空気調和・衛生工学の発展に寄与するところが高く評価されました。
空気調和・衛生工学会は、暖冷房・換気、給水・排水、衛生設備など一般市民の生活と密着した設備やその仕組み・原理などを扱う学問領域で活動する学術団体です。
当領域の研究者と、実際に設備の設計・施工を行う設計者・技術者、装置を製作するエンジニア、運転・管理技術者等の会員で構成され、日本にある工学系学会の中では10番目の規模です。
創立時より「学理と工業は両輪である」との理念と「空気調和と衛生設備に関する専門学会」との立場をもって運営されており、現代においてもこれを継承しています。
受賞コメント
このたびは、“クールチューブにおける微生物汚染の実態とその対策”に対し、空気調和・衛生工学会論文賞の栄誉を賜りましたことは誠に光栄に存じます。
日本政府は、建築物について2030年までに新築建築物の平均でZEB(Net-Zero Energy Building)の実現を目指すとの目標を掲げています。ZEBを実現するためには空調負荷の削減が必須であり、外気負荷の削減がその重要な手段の一つです。外気負荷を削減するには、クールチューブなどを用いる方法があります。しかし、夏期にクールチューブ内は高湿環境にあるため、微生物の増殖にとって好環境になっていることが以前から指摘されています。
本研究では、5施設のクールチューブ内における温湿度の特性の把握と、細菌・真菌汚染の実態を明らかにしたうえで、クールチューブの出口中の浮遊細菌・真菌濃度を低減させる対策を示しました。