宮川助教(環境化学科)の研究内容が化学工学会第88年会の材料・界面セッションにて注目講演に選ばれました。
講演題目 :「分子シミュレーションによる層間化合物の含水量および吸着特性の推定」(講演番号 J206)
発表者:先進工学部 宮川 雅矢・濤崎 啓吾・廣澤 史也・高羽 洋充
- 発表概要
層状物質の構造はサンドイッチ状であり、鉛直方向に膨らむ特徴を有しています。 有機カチオンを導入すると層間は疎水的になり、農薬・汚染物質などに含まれる芳香族化合物を水中でよく吸着します。 一部の粘土鉱物は資源量が豊富な天然の層状物質であり、吸着の研究例は数十年の蓄積があります。
しかし、吸着選択性やカチオン種の最適化に関する理論は未確立で、水中でどのような反応が起きているのか実験で知ることも難しく、 どのようにどれほど膨らむか、なぜ吸着選択性が現れるかは、混ぜてみるまでわからない現状でした。
研究では、分子シミュレーションを用いて本課題の解決を試み、膨潤性と吸着選択性はシミュレーションで推定できることを明らかにしています。 本手法は実験値がない粘土とカチオンの組み合わせにも適用可能であり、今後、理想的な層間空間を学理に基づいて設計できる可能性があります。
注目講演は、44のセッションでおこなわれる760件以上の講演から、実行委員会によって20件が選ばれています。プレスリリース(発表概要の詳細含む)は以下リンクPDFファイルの20ページ目に掲載されています。