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本橋隼人 准教授(教育推進機構 基礎・教養科)の研究チームが最も一般的な重力理論の構築に成功

2023/05/18

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  •                            拡張された重力理論の概念図

工学院大学の本橋隼人 准教授(教育推進機構 基礎・教養科)、京都大基礎物理学研究所の髙橋一史 特任助教、リスボン大学の南辻真人 研究員は、従来は不可能と考えられていた高階微分を含んだ時空計量の変換を開発し、これを用いて重力理論の枠組みを大幅に拡張することに成功しました。今回確立された新しい理論は、最も一般的な重力理論の枠組みとして包括的研究を可能とするものであり、宇宙初期に生じたインフレーション、現在の宇宙の加速膨張を司るダークエネルギー、ブラックホールや重力波放出など、宇宙で生じる様々な現象に適用することが可能です。また、一般相対論の予言との食い違いを示唆する観測結果の説明や、将来的に検証可能な新たな現象の発見も期待されます。

本研究は科研費とポルトガル科学技術財団(FCT)の助成を受けて進められました。論文詳細は、下記 京都大学基礎物理学研究所のサイトをご覧ください。

本橋隼人 准教授 コメント

これまでの研究により質点系の解析力学において高階微分理論を構築できることがわかっていましたが、今回初めて重力場の理論での構築に成功しました。本研究で得られた一般化disformal Horndeski理論(図の"GDH")は、ここ10年にわたって精力的に研究されてきたHorndeski理論(図の"H")やDHOST理論のうち性質がよいクラス(図の"DH")を超えた最も一般的な枠組みです。今後はこの枠組みを用いて、理論・観測の両面から宇宙の謎に迫りたいと思います。

京都大学基礎物理学研究所ホームページ
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