工学院レーシングチーム(KRT)は8月19日、9月に開催される「学生フォーミュラ日本大会2025」に参戦する新車両「KRT25」のお披露目会を開催しました。
学生フォーミュラ日本大会は、設計やデザイン、コストや走行性能に至るまで、車両開発にかかわるすべての段階が審査されるものづくりのコンペティションです。
昨年大会では車検不合格となり、動的審査への出場が叶わなかったKRT。今年は昨年に引き続き「パワフル・キビキビ・誰が乗っても速い」をマシンコンセプトとしつつ、昨年大会での反省点を整理し、余裕を持った工数管理と、チーム間の密なコミュニケーションに注力しました。
お披露目会には、サポート企業やメディア、学内関係者など様々な方が出席しました。はじめに今村学長からご来場の皆さまへの御礼と、学生たちへの激励の言葉が贈られました。続いてチームリーダーの松本悠暉さん(機械工学科3年)より今年の新車両「KRT25」の発表があり、各班から登壇したメンバーが、今大会に向けた改良ポイントを説明しました。
■パワートレイン班
車両の動力源を担うパワートレイン班では、昨年の課題だった出力特性や騒音試験対策の改善に取り組みました。チームのリソースを踏まえて優先順位を定め、排気マニホールドやサイレンサーの最適化を実施。また、排気量が拡大した新型エンジン(ホンダRH17E)を搭載し、中回転域での加速性能を強化しています。(機械工学科3年 宮原 大翔さん)
■シャシ班
車両の骨格や剛性を担うシャシ班は、1年生がほとんどという体制の中、設計ミスや不具合を防ぐことを第一に、堅実な車両づくりを目標としました。冷却ラインとワイヤーの干渉を防ぐため、CAD設計段階から可視化による対策も実施。「確実に一台を仕上げる」ことで、メンバーの成長につなげました。(電気電子工学科3年 阪本豊さん)
■足回り班
車両の走行安定性を担う足回り班は、昨年度から導入したプッシュロッド・オン・アップライト方式を今年も継続採用。また、タイヤを従来の18インチから16インチへと⼩径化し、低速セクションでのタイム向上を⽬指します。(機械工学科2年 髙橋真育さん)
■エアロ班
車両の空力性能を担うエアロ班では、昨年の課題だったフロントウィングの路面干渉を解消するため搭載位置を見直し、あわせて翼形状を改良してダウンフォースを最適化しました。リアウィングでは主翼を湾曲させる新設計を取り入れ、車両全体で安定した空力性能を確保しました。(機械工学科3年 井澤 拓己さん)
今年のマシンKRT25は、5月には初走行を開始。これまでに合計300kmを超える試走を重ね、安定したデータ収集を進めています。夏の試走では61.82秒を記録し、チーム内自己ベストを更新。9月8日~13日にAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催される大会本番で、悲願の初優勝を目指します。
学生フォーミュラ日本大会2025
開催日時 | 現地開催(車検/静的審査/動的審査): 2025年9月8日(月)~13日(土) |
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開催場所 | Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場・愛知県) |
大会公式HP | https://www.jsae.or.jp/formula/ |