今村新学長 就任挨拶


令和6年 4月1日
工学院大学学長 今村 保忠


 このたび、工学院大学 第10代学長を拝命いたしました。本学は1887年(明治20年)、初代帝国大学総長 渡邊洪基先生が中心となり設立した、本邦私学初の工学系高等教育機関である工手學校が源流です。以来、137年にわたり社会の最先端で活躍する多くのモノづくり人材を輩出してまいりました。10万人以上いる卒業生は独創性や堅実さで社会から評価されており、建学の精神である「社会・産業と最先端の学問を幅広くつなぐ『工』の精神」が、代々受け継がれています。現在は、大学の学びを活かした社会への貢献はもちろん、産業界発の新たな技術が教育研究へ展開されるケースなど、連携が生まれています。


 工学院大学は現在、4学部15学科と大学院工学研究科を有する工学系大学として成長しました。約6,000名の学生たちが新宿・八王子の両キャンパスで日々、新たな技術・知識の習得や研究、課外活動に励んでいます。
本学はICTの導入を積極的に行っており、Covid-19による緊急事態宣言下においても遠隔授業へスムーズに移行することができました。それ以来、ICTを活用した新たな教育方法を改良・深化し、「キャンパスライフイノベーション」を導入し、対面と遠隔のそれぞれのメリットを活かした時間割が編成され、時間に余裕を持って通学できるようになりました。


 また、文部科学省による「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」(リテラシーレベル・応用基礎レベル)にも認定されており、本教育プログラムを通じて、データを読み解く能力、適切なデータ収集・抽出・分析能力、AI技術を活用した課題解決能力を備えた人材の育成を進めています。時代に応じた新しい知識の修得とともに、160を超える多彩な研究室における研究活動を通じて、学生のみなさんは更なる高みを目指して成長できると確信しています。


工学院大学はモノづくりで未来を拓く「21世紀工手」の育成を通じて、社会で活躍する人材を育んでまいります。



工学院大学学長      
 

今村 保忠 (いまむら やすただ)
1959年鹿児島県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。同大学院理学系研究科博士課程中退。理学博士(東京大学)。専門分野は生物化学、マトリックス生物学、細胞工学。国内外の研究活動を経て、2006年に工学院大学に着任。工学部応用化学科および先進工学部生命化学科で教鞭を執り、副学長、先進工学部長、理事を歴任し、現在に至る。

工学院大学の教育