学生と企業が「直接的(ダイレクト)」に「連携する(つなぐ)」“ISDCプログラム”の一環として、工学院大学×チームラボアーキテクツ コンペティションを開催しました。2022年度は4回目の実施となり、対象学部である建築学部の3年生から大学院修士課程(建築学専攻)の2年生までの計8名が参加しました。
今年度のコンペティションのテーマは「外で食べる」。新型コロナウイルスの影響を受けて人々の飲食形態も変化しつつあり、今年の課題を通して、レストランという業態自体の新しい在り方を模索するという、時代に即したテーマがチームラボアーキテクツより提供されました。
プログラムに参加する学生は、自身の想像力や発想力を膨らませるためコンペティションに先駆けて5月14日にチームラボが手掛けるアートミュージアムの一つである、東京・豊洲の「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」の見学を行いました。
チームラボプラネッツ TOKYO DMMは世界各地でアート展を開催しているチームラボのミュージアムの一つであり、コンセプトは「身体ごと没入し、他者と共に世界と一体となる」で、超巨大な4つの作品空間と2つの庭園からなる「水に入るミュージアムと花と一体化する庭園」です。また、ミュージアム敷地の一角には、京都発のヴィーガンラーメン専門店「Vegan Ramen UZU Tokyo」があり、《虚像反転無分別》や《空と火のためのロングテーブル》、《ひとつなぎのベンチ》などの作品空間で実際にラーメンを食べることもできます。参加学生はこのミュージアム見学を通じて、自分の作品へのヒントやインスピレーションを得て、6月6日の中間報告会、6月28日の最終発表会に臨みました。
中間報告会では、参加者が自身の作品に関する方向性や課題の解決のヒントとなりそうな画像(写真)1枚を準備し、それについての説明を3分程度で行いました。今回のテーマである「外で食べる」について各自がイメージする場所や外食の形が提案され、チームラボアーキテクツの河田代表からは「面白い提案が沢山あり、食べるということを通じて家族や家について考えるきっかけにもなる。最終的な提案はどのようなアウトプットになるのか、オリジナリティのある作品を期待している。非常に楽しみ」とのコメントを頂きました。
最終発表会では、まさに学生それぞれのオリジナリティや創造性、豊かな発想力が発揮されました。普段の講義で課される課題とは異なり「実現性」よりも「自由な発想」が求められる今回の課題は、学生ならではの視点や新しい発想が活かされ、今まで見たことのないような空間を想像力で創り上げていました。
また、これら一つ一つの学生の作品に対して、チームラボ、チームラボアーキテクツの皆さんから貴重なコメントを沢山頂戴し、今年度も非常に充実した発表会となりました。特に「空間は合理的なだけでなく、ストーリーを持たせることで無限に考えることができる」という河田代表のコメントが印象に残りました。
※写真は感染対策に留意の上、撮影時のみマスクを外して撮影しています。
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最優秀賞を受賞した廣井花音さん
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優秀賞を受賞した小柳凪紗さん
今回の課題には、多角的に物事をとらえ、見る立場によって視点が変化することの表現に挑戦しました。プレゼンテーションに際して、普段お話を伺う機会のない審査員の方々からアドバイスをいただけただけでなく、他の参加者の発表からも多くの学びを得られる貴重な機会となりました。
今回の受賞を励みに、今後も日々研鑽を積んで参ります。ありがとうございました。
外で食べるというテーマは、"食べる"という在り方について今一度考える機会となり、また、何をどんな風に食べるのか、それによってできる空間とは何かといった、いつもとは違った視点から提案する貴重な機会となりました。
今回得た新たな視点を今後の設計に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。
チームラボアーキテクツ(teamLab★Architects)
デジタルテクノロジー、アート、生物学、建築の境界を越え、新しい時代の都市と自然と人々のありようや、新たな建築や空間のありようを模索する建築集団。
ISDCプログラムとは
学生と企業が「直接的(ダイレクト)」に「連携する(つなぐ)」、これまでにないコラボレーションプログラムです。学生は企業の課題に自らの研究でチャレンジし、評価を受けます。