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冨永祥子教授(建築デザイン学科)による「サバティカル研修報告会-アドルフ・ロースを描くー」が開催されました

2023/04/21

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4月7日に冨永祥子教授(建築デザイン学科)による「2022年度サバティカル研修報告会-アドルフ・ロースを描く—」が、工手の泉コラボレーションスタジオにて開催されました。

冨永教授は2022年度後期にサバティカル研修期間を取得し、オーストリア・チェコへ渡欧しました。目的はウィーンで活躍した建築家・アドルフ ロースの建築と生き様を、漫画で描くための取材及び製作です。
ロースは著名な近代建築家ですが、現存する関連資料が少なく、また実際に拝見できる建築作品も限られていることから、日本では「有名だがどう理解していいかわからない建築家」という立ち位置にあります。そのロースの作品を理解するためには、彼のキャラクターや当時の時代背景、施主や友人らとの交友関係など、さまざまな要素を丸ごと表現できる「漫画」がふさわしいと考え、冨永教授はサバティカル期間中に現地取材し、現在漫画制作を進行中です。

報告会ではこれまで冨永教授が試みてきた「建築×描くこと」の事例紹介に始まり、ウィーン・プラハ・プルゼニでの貴重な取材写真や現地滞在中の暮らしぶり、現在ロースの漫画を描き進めている作業状況や取材前におこなっていた「漫画自主トレ」の話など、さまざまな映像と共に解説しました。
出席された先生方との間では、「漫画を描くこと」と「設計すること」の互いへの影響はどのようなものか、それは表裏の関係なのか一体化していくものか、などといった議論が展開しました。
また当日はサバティカル中に完成させたネーム(漫画のページ配分や大まかなコマ割り・絵・セリフなどが描かれたもの)や、先月発売された書籍「ex-dreams」(冨永教授主催の設計事務所が出版した冊子)、漫画制作に参照したバンドデシネ(フランス・ベルギー圏の漫画)の3作家の漫画本などが会場に並び、報告会後はそれを見ながらのフリートークで大いに盛り上がりました。

  • ロースの空間と生き様を漫画でえがく
  • Adolf Loos
  • ウィーン市民を巻き込む議論となったロースハウス
  • ロース晩年の傑作・ミュラー邸

報告会の最後に冨永教授は「今回、新しい分野に挑戦するための『アクセルを踏む期間』としてサバティカルを活用しました。完成はかなり先になりますが、必ずこの成果を建築漫画本として大学や建築界に還元します。」と締めくくりました。

  • 建築家ラルフボック氏へのインタビュー

  • 初期の名作・アメリカンバー。現在もほとんど変わらずそのまま使われている

  • ピルゼン市が復原したヴォーグル・アパートメント

  • 現地取材でのメモ

  • ネームの作成途中

  • ネームを元に、本番の表現方法を幾つか試してみる.

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