本学の紀基樹 客員研究員(教育推進機構)が参加する国際研究チームは、波長3.5mm帯で観測する地球規模の電波望遠鏡ネットワークを用いて、楕円銀河M87の中心部を詳しく観測しました。その結果、巨大ブラックホールの周囲に広がる降着円盤の撮影に初めて成功するとともに、ジェットの根元の構造をこれまでで最も高い視力で捉えました。本成果は、巨大ブラックホールに落ち込むガスから莫大な重力エネルギーが解放される現場を初めて直接的に捉えるとともに、ブラックホールジェットの駆動メカニズム解明にも弾みがつくと期待されます。 研究成果は、英国の科学雑誌『ネイチャー』に2023年4月26日付で掲載されました
国際研究チームメンバーの紀客員研究員は「日本のVERA電波望遠鏡においても波長3.5mm帯の電波受信機の開発・搭載実験を鋭意進めているところです。今後は、さらに東アジアのVLBI電波望遠鏡による3.5mm帯の観測も行うことによって、ブラックホールジェットの駆動メカニズム解明に迫りたいです。」と意気込みを語りました。