工学院大学附属中学校・高等学校の自動車部は、11月17日から19日にかけて旧白浜空港特設会場 (和歌山県西牟婁郡白浜町)で開催された 「白浜ECO-CARチャレンジ 」に参戦し、 レジェンドクラス第4位で完走しました。社会人や大学生、高専生からなるチームに交じり、他クラスを含む総合では7位に入る健闘を見せました。
この大会への参戦は去年に続いて2回目です。とはいえ、開催時期や会期延長、レース規程の変更などにより、初めての経験が多い大会となりました。自動車部としては、ソーラーカーの公式大会に初めて中学生2名をピットメンバーに加えての参戦です。
金曜日から日曜日に掛けての実施で、大会としては初日17日を試走可能日としていましたが、部員は学業と無理の無い移動を優先し、17日(金)に現地に入り、翌日18日(土)いきなり本番を迎えるスケジュールとなりました。
いよいよレース初日。ソーラーカーなので晴天でこそ最大の機能を発揮しますが、あいにく朝から雲に覆われ、強風と時には雹まで降る悪天候となりました。そのため発電量が伸びず、満タンでスタートしたバッテリ残量が、しばらくはただただ減っていく状態に。走行中のソーラーカーから届く種々なデータをエネルギーマネジメント担当の生徒が見て、戦略を立てレースを進めるのですが、データ受信トラブルが発生。大学生メンバー3名がサポートし、徐々にレースを持ち直しました。
ドライバーの3人はいずれも初挑戦なので、レース初日は40分ずつの運転です。ドライバー交代時の停車、ピット内誘導といった一連の動作はスムーズで、学内練習の成果が発揮されました。ピットからコース内に入る際に1回ミスがありましたが、2回目を犯さずレースを進めることができました。
この日は午前と午後の2回走る予定だったものの、強風のため午後のレースは中断。暫定成績はレジェンドクラス3位と、初日ながらなかなかの成績です。
19日日曜日はレース2日目、最終日です。風は依然強いとはいえ前日より弱まりました。昨日レースの流れをつかんだ生徒たちは、朝早くから、自ら必要なことを見つけ活動していました。前日にパンクした疑いのあるタイヤを交換する生徒、データ受信とドライバーとの無線の再確認をするエネルギーマネジメント班、世界大会でドライバーを務めた大学生から運転指導を受けるドライバー。整備が終わると、少しでもバッテリに充電しようと太陽電池による発電に取り掛かるなど、チームが一丸となって確実に準備を進めます。レース開始直後は、太陽が出たり雲に隠れたりの天候で、エネルギーマネジメント班は雲の厚さと流れている方向を観察して、その都度ドライバーに速度を指示する姿が見られました。効率よくバッテリを持たせ、かつ順位を上げるための作戦です。大会の安全な進行のために全チームに対して走行速度が規制される時間も的確に対応し、自動車部は大きなトラブルなく制限時間いっぱいまで駆け抜けました。
2日間の総合成績はレジェンドクラス4位。惜しくも表彰台を逃しましたが、全力を出し切った生徒たちは清々しい表情でした。
附属中学校・高等学校の自動車部は、今年も大学ソーラーチームによる指導を受けてこの大会に臨みました。大学生は、大学で学んできたことを部員に説明しながらモノづくりの魅力と深さを伝えてきました。同行した学生は、オーストラリアでの世界大会参戦の記憶が新しいこともあって、解散時に「今回の反省点をフィードバックして次の大会、そして次の世代にも活かし勝ちに行けるチームを目指しましょう」と話し、大会後の活動とチーム作りについてアドバイスしました。日ごろから中学生・高校生・大学生・大学院生が連携しているからこそできた経験で、生徒・学生ともに気付きの多いレースでした。
彼らは2050年の脱炭素社会を担う人材になることは間違いありません。このレースは色々なことが学べます。これからも高い意識を持って挑戦していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。