中高自動車部、初の中学生混合チームが白浜ECO-CAR チャレンジで4位

2023/12/07

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工学院大学附属中学校・高等学校の自動車部は、11月17日から19日にかけて旧白浜空港特設会場 (和歌山県西牟婁郡白浜町)で開催された 「白浜ECO-CARチャレンジ 」に参戦し、 レジェンドクラス第4位で完走しました。社会人や大学生、高専生からなるチームに交じり、他クラスを含む総合では7位に入る健闘を見せました。

この大会への参戦は去年に続いて2回目です。とはいえ、開催時期や会期延長、レース規程の変更などにより、初めての経験が多い大会となりました。自動車部としては、ソーラーカーの公式大会に初めて中学生2名をピットメンバーに加えての参戦です。

金曜日から日曜日に掛けての実施で、大会としては初日17日を試走可能日としていましたが、部員は学業と無理の無い移動を優先し、17日(金)に現地に入り、翌日18日(土)いきなり本番を迎えるスケジュールとなりました。

いよいよレース初日。ソーラーカーなので晴天でこそ最大の機能を発揮しますが、あいにく朝から雲に覆われ、強風と時には雹まで降る悪天候となりました。そのため発電量が伸びず、満タンでスタートしたバッテリ残量が、しばらくはただただ減っていく状態に。走行中のソーラーカーから届く種々なデータをエネルギーマネジメント担当の生徒が見て、戦略を立てレースを進めるのですが、データ受信トラブルが発生。大学生メンバー3名がサポートし、徐々にレースを持ち直しました。
ドライバーの3人はいずれも初挑戦なので、レース初日は40分ずつの運転です。ドライバー交代時の停車、ピット内誘導といった一連の動作はスムーズで、学内練習の成果が発揮されました。ピットからコース内に入る際に1回ミスがありましたが、2回目を犯さずレースを進めることができました。
この日は午前と午後の2回走る予定だったものの、強風のため午後のレースは中断。暫定成績はレジェンドクラス3位と、初日ながらなかなかの成績です。

19日日曜日はレース2日目、最終日です。風は依然強いとはいえ前日より弱まりました。昨日レースの流れをつかんだ生徒たちは、朝早くから、自ら必要なことを見つけ活動していました。前日にパンクした疑いのあるタイヤを交換する生徒、データ受信とドライバーとの無線の再確認をするエネルギーマネジメント班、世界大会でドライバーを務めた大学生から運転指導を受けるドライバー。整備が終わると、少しでもバッテリに充電しようと太陽電池による発電に取り掛かるなど、チームが一丸となって確実に準備を進めます。レース開始直後は、太陽が出たり雲に隠れたりの天候で、エネルギーマネジメント班は雲の厚さと流れている方向を観察して、その都度ドライバーに速度を指示する姿が見られました。効率よくバッテリを持たせ、かつ順位を上げるための作戦です。大会の安全な進行のために全チームに対して走行速度が規制される時間も的確に対応し、自動車部は大きなトラブルなく制限時間いっぱいまで駆け抜けました。

2日間の総合成績はレジェンドクラス4位。惜しくも表彰台を逃しましたが、全力を出し切った生徒たちは清々しい表情でした。

附属中学校・高等学校の自動車部は、今年も大学ソーラーチームによる指導を受けてこの大会に臨みました。大学生は、大学で学んできたことを部員に説明しながらモノづくりの魅力と深さを伝えてきました。同行した学生は、オーストラリアでの世界大会参戦の記憶が新しいこともあって、解散時に「今回の反省点をフィードバックして次の大会、そして次の世代にも活かし勝ちに行けるチームを目指しましょう」と話し、大会後の活動とチーム作りについてアドバイスしました。日ごろから中学生・高校生・大学生・大学院生が連携しているからこそできた経験で、生徒・学生ともに気付きの多いレースでした。

■自動車部顧問コメント(島田 浩行 副校長)
多くの皆様のご支援のお陰で、3年連続でソーラーカーレースに出場することができました。中高生にとっては他校の生徒にはできない貴重な経験となりました。ソーラーカーレースは我々が長く挑戦している燃費競技のレースとは違い、スピード競技でもあるため、安全第一のレースでもあり、初日は危険な場面があり、かなり厳しく指導を受けましたが、二日目はしっかりとレースを行い、無事故で終えることができました。それが何よりですが、経験と実績を積み上げてきたので、次はさらに上を目指せるレースが展開できるように考えています。そのためにはドライバーだけではなく、エネルギーマネジメントをしっかりと学び、本校の自慢でもあるICT活用をレースでも充分に生かし、ドライバーとピットクルーが一体となってレースができるように準備を進めて行きたいと思います。
彼らは2050年の脱炭素社会を担う人材になることは間違いありません。このレースは色々なことが学べます。これからも高い意識を持って挑戦していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
■同行大学生コメント(工学院大学ソーラーチーム、工学部電気電子工学科4年 藤井優人)
今回の白浜大会は自分が経験した中でも天候が悪く、とにかく太陽が出てこないというのが特徴でした。特にエネルギーマネジメントにおいては、太陽光を得られないことで何も考えずに走ると完走できずにバッテリを使い果たしてしまう可能性がありました。そのような状況の中で、いかにしてソーラーカーを走らせるかを考える機会にはなったのではと考えています。高校生には今回の経験を生かして、次回はより強いチームでそして優勝できるようになってほしいと願います。
■中学生部員コメント(工学院大学附属中学校2年自動車部 公文林太郎)
僕が白浜ソーラーカーレースに参加して感じたことは、ソーラーカーの世界の広さと深さです。普段行っているエコラン車よりも正確で複雑なテクニックやミスは出来ない作業、練習では見られなかった問題に対応する臨機応変さなど、今までやってきたことが全て求められるレースでした。今回経験したレースの奥深さを活かし、大会初の中学生参加者としてもこれからも新しい挑戦を続けていきたいです。応援ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
■高校生部員コメント(工学院大学附属高等学校2年自動車部部長 坂本来門)
私は今回のレースでエネルギーマネジメントを担当しました。その中でドライバーや大学ソーラーチームの方と情報共有をすることが多く、それらを通してチーム内での情報共有の大切さを改めて学びました。今後は我々が今回の経験を後輩と共有し、次回はより円滑な情報共有ができるよう頑張ってもらいたいです。