2018 / 07 / 23
今回は、伊藤慎一郎教授(機械工学科)による特別講義~快適を研究する~です。
伊藤:突然ですが、下記のクイズ、正解はどちらだと思いますか?
温度のムラ無く、室内をまろやかな涼しさに
正解は「B: 28℃でサーキュレーターを固定でつける」です。伊藤:「サーキュレーターで空気の循環を作り、部屋全体の温度を均一にします。空気が一定方向に流れると28℃で充分涼しく感じられますよ。」
なるほど。サーキュレーターの首振り機能は、使わないんですか?
伊藤:「首を振ると、風の届く範囲にしか涼しさが伝わりません。首振りにすると風が分散し、部屋全体を巡るほどの流れになりません。一定方向に送風することで空気が部屋全体を循環するようになります。」
扇風機でも、一定方向を向ければ良いですか?
伊藤:「サーキュレーターとは逆に、扇風機は下向きにしましょう。羽根の高さにある空気を使い、冷たい空気を吹き飛ばして、部屋の空気を循環させる必要があります。サーキュレーターの場合は床に置いて、下にたまる冷たい空気を上に飛ばしますが、扇風機の羽根は床よりも高い位置にあり、たまった空気を持ち上げられないからです。」
こんな部屋は、どうすれば良いの?
今回のケースと少し違った間取りの方(特に一人暮らしの学生さん)にとっては、「うちの部屋では、どうすれば良いの?」という方も多いはず。さらに伊藤先生にお答えいただきました。Q1:天井に勾配がある、またはロフトでエアコンはロフトより低い位置に設置してある場合はどうでしょうか?
冬でも同じ使い方で快適に!
様々なケースの説明をありがとうございます。夏は、快適に過ごせそうです。では、冬はどのように使えば良いでしょうか。
Q4:暖まった空気は上に行くから、サーキュレーターの向きは、夏よりさらに上向きでしょうか?
伊藤:「冬も考え方は全く同じです。天井に向けてやや上を向けて、首は振らずにサーキュレーターを付けてください。確かに暖まった空気は上に行きますが、空気の流れを部屋の斜め下から天井に当てることで、上に留まっている暖かい空気を下に押し出すことができます。結果、部屋全体が暖かくなりますよ。」
メディアを通して、日常生活の疑問を科学的に解説
伊藤先生は、水着や泳ぐフォームも研究されており、成果の一つ「スッポン泳法」は、学会で発表されると、すぐに海外の競泳界から注目され、しだいに日本で主流となりました。車や列車の形状、トンネルの中の換気など、意外と身の回りで使われている「流体力学」。日常生活の様々な小さなギモンを、伊藤先生はメディアから依頼されて取り組んでいます。
メディアを通して広く一般の方にも“授業”をされている先生。テレビや新聞を見る時は、大学名を探してみてください。
なお、伊藤先生の上記解説動画は、京王ライナー車内ビジョン(K-DGチャンネル)で7月23日から公開します。機会があれば、ぜひご覧ください。
【教授の部屋】寝苦しい夜を快適に過ごすエアコンの活用法は?
伊藤慎一郎教授の主な最近のテレビ出演実績
タモリ倶楽部(テレビ朝日、放映日:2018年7月6日)内容:ファミリーレストランのスープバーで、具をすくい上げる法則を探求
ソレダメ!(テレビ東京、放映日:2018年2月14日)
内容:「寒波に負けない!家族で温まるソレマル大集合SP」で解説
珍種目No.1は誰だ!?ピラミッド・ダービー(TBSテレビ、放映日:2017年6月25日)
内容:「地上20mからバンジージャンプで大実験!立って着地できるか」を解説
※ZIP!(日本テレビ)、すイエんサー(NHK)などにも協力。
※ZIP!(日本テレビ)、すイエんサー(NHK)などにも協力。