天井のゆらぎから見る 工学院大学

天井のゆらぎから見る 工学院大学

八王子キャンパス2号館
2017 / 06 / 08

”こだわりのつまった建物”八王子キャンパス2号館

八王子キャンパスの2号館は、2017年3月30日に竣工しました。東門を入ると、その左に、どーんと建っているのが2号館です。
白、ライトグレー、黒の色合い、そしてガラス壁面の外観は、シャープかつクールな印象です。それに新しいだけではなく、「こだわりのつまった建物」と聞いています。
今回は、そのこだわりの一つ、2号館の2階にある情報収集ラウンジの『不思議な天井』を紹介します。
 2号館全体の詳しい情報はこちら

時間と使い方によって変化する空間

中に入ると、剥き出しの配管に、色々な形と色の椅子。情報収集ラウンジは椅子も机も、ホワイトボードも、ここにある家具はすべて、スタイリッシュ & 可動式!学生さんが自由にレイアウトすることで、個人の学びや、グループでのアクティブな学びが簡単に実現できます。 
剥き出しの配管は秘密基地に入ったようで、ワクワクします
そんな情報ラウンジの「天井」には、ある工夫が隠されています。
写真をみてお気づきの通り「ゆらいで」いるんです!

ゆらぎが映し出す風景

キッチンや食器などでよく使われるステンレスで作られた天井は鏡のように反射するのですが、よく見るとその表面は少しでこぼこしています。そのため写り込んだ景色はゆるやかなにカーブを描いて、映し出されます。そんなゆらぐ天井が覆っているフロアでは、様々な表情を見ることができました。
白い柱が天井に写されて、天井が高く感じられ開放的!
非常灯や椅子が少しゆがんでいて、おもわずクスッと笑ってしまいます。
誰か来ても、視線が合うこともなく、感じ取れる。現実なのに、イメージの世界に入り込んだ感覚になります。
さらに情報ラウンジの外には3階に行くためのエスカレーターがあるのですが、、、
あれ? 吸い込まれていく?
2階へ上がる人が、「線」に徐々に近づき、陰のようなものと一体化し、消えてしまいました。まるで、カレイドスコープ(万華鏡)を覗いているみたい。
どうやら、天井のゆらぎが乗降者を映し、不思議な光景を作ったようです。
 
情報収集ラウンジという時間によって使い方や使う人が変わっていく空間だからか、それが映し出される天井の表情の豊かさに驚いてしまいました。

工学院大学を象徴する天井?

時間や使う人によって違うにぎやかさを映し出す。硬いものを柔らかく受け入れて馴染ませていく。見る人を心地よい曖昧さに連れ出してくれる、そんな天井に感じました。
なんだか、時代が変わっても、ニーズに合う技術者を養成している、学生が変わっても受け入れて、立派な社会人に成長させる先生や学校みたいに感じ、もしかして工学院大学を象徴するような天井なのではと思ったりしました。
 
次回は、この素敵な天井の考案者である元本学教員の飯島氏と、制作に関わった卒業生に、発案のきっかけと、制作中のエピソード、ゆらぎを生み出すまでにかかった苦労などをインタビューしていきます。