コロナに負けるな!学生プロジェクトの挑戦

コロナに負けるな!学生プロジェクトの挑戦

2021 / 03 / 05
学園広報サイト「窓」では、コロナ禍で大きな変化が生じた大学の授業やキャンパスライフを特集しています。

授業はもちろんですが、新型コロナウイルスの感染拡大は大学生の課外活動にも大きな影響を与えました。
安全が最優先され、4月と1月に発出された緊急事態宣言下では、キャンパスでの活動や2人以上での集まっての活動が制限されました。

そんな中でも、多くの団体がオンラインツールやSNSをフル活用して活動を継続してきました。
現在は、大学から示された課外活動のガイドラインに従って、安全に配慮しつつ学内での活動を再開しています。

今回は、逆風にも負けず2020年度に大きな成果を残した学生プロジェクトや、今後の活動に向けて着々と準備を進めているプロジェクトを紹介します。 

地道な発信が拓いた道
/みつばちプロジェクト・Science Create Project

2つのプロジェクトは、3年前からみつばちプロジェクトが八王子キャンパスで採取したハチミツを使った製品の企画・開発に着手。
2018年に製品化した入浴料に続いて、約1年かけて、2020年3月に第2弾「KUTE Honey ハンドクリーム」を開発しました。
老舗化粧品メーカーの協力でリラックス効果を誘うハチミツの甘い香りを再現。天然ハチミツ由来の保湿効果を活かし、なめらかでしっとりした肌触りにこだわった製品
本来であれば、学内外のイベントで多くの方にハンドクリームを手に取っていただく予定でしたが、完成直後に一度目の緊急事態宣言が発令。学内外のイベントの延期・中止が続きました。

学生たちは、SNSや大学ホームページを使って学内外への情報発信を強化。
YouTubeチャンネルも開設して、SCPはおうちでできる理科実験、みつばちプロジェクトはハチミツを使ったレシピ、ミツバチの生態などを発信。
おうち時間を楽しみながら、プロジェクトについて知っていただく機会を増やしました。 
Science Create ProjectのYouTubeチャンネルでは、家にある材料で簡単にできる理科実験を紹介
みつばちプロジェクトのYouTubeチャンネルでハニーレモネードにレシピを紹介
そんな彼らの活動が東京プリンスホテルの企画担当者の方の目に留まり、コラボレーションが実現。
はじめに声をかけていただいたときは、歴史あるホテルからの提案に学生たちは驚きと喜びを隠せませんでした。
東京タワーから徒歩圏内の東京プリンスホテル
東京プリンスホテルの方と打ち合わせを進め、約1ヵ月で宿泊プランが完成。
9月から東京プリンスホテルに、オリジナル宿泊プラン「KUTE Honey Stay」が誕生しました。

八王子キャンパスで採れた“東京産ハチミツ”の恵みを楽しんでもらう地産地消のプランで、「KUTE Honey ハンドクリーム」「KUTE Honey in the Bath(入浴料)」のアメニティと東京タワーメインデッキ入場券が付いています。
10月にはGo Toトラベルの対象に東京都も加わり、70名を超える多くの宿泊客の皆様にハチミツ製品を楽しんでいただきました。
 
オリジナル宿泊プラン「KUTE Honey Stay」
現在は、次年度に向けて新たな企画の提案や第2弾ハチミツ製品の開発に向けて、準備を進めています。
これからも質の高いものづくりにこだわり、より多くの方に東京産ハチミツの魅力を届けます。
次年度に向けてオンライン打ち合わせを重ねる学生たち

プロジェクト紹介

みつばちプロジェクト

イベントを通して、ミツバチに関する知識を深めてもらうことを目的に活動中。八王子キャンパスでは”内検”と呼ばれる週一回の巣箱の点検と、年数回の”採蜜”を行いながら、自然環境に興味を持ちミツバチを大切に扱っています。今年は、キャンパスで採れたハチミツを使った様々な商品の開発にも取り組んでいます。

Science Create Project

子供向けに科学実験を行い、科学の面白さを伝えることを目的としています。週に一回八王子キャンパスで活動し、グループに分かれてイベントで子どもたちが楽しめそうな実験を考えています。イベントは月に1回ほどあり、学ぶだけではなく教えることを通じて普段体験できない貴重な時間を過ごすことができています。部員は皆、和気あいあいと楽しく活動しています。

Withコロナの暮らしを豊かに
/WA-K.pro

WA-K.proは建築系の学生プロジェクトで、イベント空間や展示スペースのデザイン・制作など、学内外の様々なイベントで活躍してきました。
今年度はコロナ禍で多くのイベントが中止になり、例年に比べて活動の場が減っていました。
 
「コロナ禍だからこそできることはないか」そう考えた学生たちは、ダンボール製家具に目をつけました。
小さく畳んで格納したり、不要になった場合にリサイクルに出しやすいのが特徴。
在宅勤務・オンライン授業など急な身の回りの変化に対応しやすく、環境にも優しい再生素材です。

ダンボール製プロダクトブランド「danbal」の事業に取り組んでいる電通テック・豊栄産業の方々にご協力をお願いし、再生可能なダンボール素材でできた家具の設計・製造プロジェクトが始動しました。
今回企画した家具のコンセプトは、「Withコロナの暮らしをデザインする」。鈴木敏彦教授(建築学科)がプロジェクト全体の監修をしました。

2020年秋頃から、WA-K.proのメンバーが班ごとに分かれて、コンセプトに合うアイディアを企画。
11月末には電通テック・豊栄産業の方々の前で、各班がプレゼンテーションを行いました。
バック型持ち運び作業台、在宅ワーク用のパーテーション、スタンディングデスクなど、様々な案が出そろった
その後、企業の方々に、コンセプトと合っているか、ビジネス視点で大量生産可能か、素材として強化ダンボールが適しているかなど、様々な観点からフィードバックをしていただきました。
強化ダンボールを扱うのは初めての学生たち。素材の特性を活かし実用性を備えた家具にするために改良を重ねました。
試行錯誤を繰り返しながら2案へ絞り込み、実際の図面へと落とし込んでいきました。
オンライン打ち合わせで企業の方からフィードバック
2月末には試作品が届き、新宿キャンパスで組み立て作業を行いました。
長い時間をかけて企画・設計した作品が、形になるときの喜びは格別です!

作品1/Home Office

在宅勤務やオンライン授業で気になるのが、集中できる環境の確保。
そこで、狭い空間でも簡単に設置でき、仕事場と家族との暮らしの空間を遮ることができるダンボール製の半個室を開発しました。
「danbal」の既製品のデスクとチェアに合わせたサイズ感で、ダンボール製家具で手軽に自分だけのワークスペースを作り上げることができます。
細部にまでこだわった設計で、屋根の隙間から光が落ちるため、秘密基地のような落ち着く空間になっています。

作品2/Portable Work Space

コロナ禍で働き方や働く場所が多様になり、以前よりパソコンを持ち運ぶ機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
そこで学生たちは、パソコンやデスク周辺機器を収納して持ち運ぶことができるバック型のパーテーションを考案。
パソコンを手軽に持ち運ぶことができ、作業場所でバックを開いて立たせるとパーテーションの機能を果たします。
周りの飛沫を気にせず個人スペースを確保することができ、コロナ禍の感染防止策にも役立ちます。
デスクとチェアは「danbal」製品を使用

WA-K.proは、毎年決まった企画だけではなく、学生が興味のある分野の新たな企画にも挑戦しています。

コロナ禍でも柔軟な発想をもち、環境の変化による新しいニーズを探って提案を行った今回のプロジェクト。
先生や企業の方々の協力のもと、短い期間で製品化までこぎ着けました。

この他にも、団体内でコンペを行い、新しい生活様式に適応した家具を提案し合うなど、制限がある中でも活動の幅を広げ続けています。

プロジェクト紹介

WA-K.pro

WA-K.proは建築学生プロジェクトです。学内、学外で様々な活動を行ってきました。主に1、2年生が中心となって活動を行っています。学校の授業だけでは学べないことを体験でき、学年問わずみんなが仲良く建築に熱中しています。

2023年、世界優勝を目指して
/工学院大学ソーラーチーム

工学院大学ソーラーチームは2009年に発足。10周年を迎えた2019年には、オーストラリアで2年に一度開催されるソーラーカーレース「2019ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」で、第5位に入賞しました。
さらに、世界で初めてソーラーカーに導入した革新的な技術が評価され、日本勢で初めてオーストラリア政府所管研究の開発機関の技術賞を受賞しました。
最新技術が詰まったソーラーカーEagleで、オーストラリア大陸約3,000kmを6日間かけて縦断
世界大会後は、2020年夏に秋田で開催されるソーラーカーの国内大会「ワールドグリーンチャレンジ」に向けて、Eagleの整備・技術改善を進めていました。
入構が制限された4月以降も毎日のようにオンラインでつながり、互いの進捗を報告・相談しながらそれぞれが作業に没頭していました。

5回目の全国制覇を目指していましたが、残念ながら新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が決定。
続けて、2021年に開催が予定されていたオーストラリアでの世界大会「2021ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」も2月に中止が決定し、次に開催されるのは2023年です。
秋田で開催される「ワールドグリーンチャレンジ」には、2年おきに出場し、4大会連続優勝
大会の中止が続き残念ではありますが、2021年・2022年は、国内大会に出場する予定で、前を向いて準備を進めています。2018年の4回目の大会優勝に続けて、目指すは全国制覇6連覇です。

そして、2023年にオーストラリアで開催予定の「2023ブリジストンワールドソーラーチャレンジ」に向けて、新車両の設計・製作に挑みます。通常は1年半程度しか時間をかけられませんが、今回は3年以上かけて、メンバーたちが頭に描く理想の車両を仕上げる時間があります。

2021年度の世界大会は中止が決まったにも関わらず、うれしいことにスポンサー企業からは続々とサポート継続の連絡が入りました。
2020年秋から冬にかけて、ミュージアムタワー京橋にあるブリヂストンの展示スペースに歴代車両を展示。レース開催が難しい中でも、スポンサー企業と交流を続けている
次に世界大会が開催されるのは、コロナ感染拡大の影響を大きく受けた2020年度新入生が4年生になる年。
在学中に参戦できない先輩たちも、後輩たちに世界大会優勝の夢を託して、新車両の製作を精一杯行い次の世代へ技術と想いを引き継いでいきます。
学内での課外活動が解禁されてからは、早速ソーラービークル研究センターで活動を再開。新車両設計に力を注いでいます

プロジェクト紹介

工学院大学ソーラーチーム

世界を舞台に活動しているソーラーカーチームです。世界優勝を目指しています。オーストラリア政府の最高研究機関からCSIROイノベーションアワードを受賞。世界中のチームと競い,電気自動車の要素技術を開発します。国内大会は4連覇中です。

地域交流に新しいかたちを
/まち開発プロジェクトSmart Tech

まち開発プロジェクトSmart Techは、2019年4月に誕生した学生プロジェクトです。
西新宿で三木良雄教授(システム数理学科、まち開発プロジェクトSmart Tech顧問)を中心に行っていた地域交流が、学生を中心としたプロジェクトに生まれ変わりました。

プロジェクトの前身であるCYBER十二社は、西新宿の十二社商店街と地域のお祭りや学園祭を通して交流を深め、地域の活性化に貢献してきました。

コロナ前は西新宿の十二社熊野神社祭にも参加し、地域交流を深めた
しかし、コロナ禍でお祭りも中止となり、新プロジェクト発足後は地域交流が難しい状況が続きました。

学生たちは今後の活動を見据えて、2020年度前半はメンバー集めに専念。SNSを頻繁に更新し、勧誘を行いました。
その成果もあり、半年ほどで30名を超えるプロジェクトへと成長しました。
SNSを活用したメンバー集めが功を奏し、設立1年で30名超のプロジェクトに成長
そんな中、小田急電鉄をはじめとする地域の企業から、12月25日・26日に新宿中央公園で開催される「Candle Night @Shinjuku Central Park-灯に願いを-」(以下、「キャンドルナイト」)の企画・運営を依頼され、迷わず快諾。
同イベントの成功を初年度の活動目標に絞り、早速準備を始めました。

コロナ禍で発揮できなかった技術者の卵として腕前を晴らすかのように、全力を注ぐメンバーたち。
目玉となるタワーの設計・制作、公園会場の空間デザイン、初めての試みとなるオンライン配信やSNSを活用した広報活動なども担いました。

学生たちは各学部の学びや個々の経験を存分に活かして、思いを形にしていきます。
リアル会場・オンライン会場の両方で楽しめるように、細部まで検討を続けました。
当日の設営も学生たちの手で。中央の画面ではオンライン投稿デザインを次々と表示。
開催日当日は、感染拡大防止に配慮しながらも、暖かな色合いの光に包まれた幻想的な空間を楽しむ多くの方の姿が。
メンバーからは「想像以上です!」「大変だったけれど関われてよかった!」と歓喜の声が上がります。

キャンドルを彩る塗り絵は、地域住民・地元団体・協力企業のお力添えもあり、2日間でなんと約1300枚集まりました。
うちオンラインシステムを利用した投稿提出は80枚で、初の試みとしては上々の滑り出しです。

新宿中央公園では、提出した自分の作品を探す小学生、犬の散歩ついでに愛犬とキャンドルツリーの写真を撮る方など、コロナ禍ながらひと時を静かに楽しむ姿が見られました。
オンラインでは、2日間とも3時間中継しました。
2020年度は4月から多くの制限がありましたが、初の大仕事の成功はプロジェクトにとって大きな意味を持ちました。
もともと、西新宿の街は、学生たちにとってキャンパスのような存在。学びの場であり、新しい気づきや出会いの宝庫です。

今は自粛の影響で街全体が以前よりも寂しげですが、イベント準備段階から経験できた地元の方々との交流、来場くださった方からの笑顔と感謝の声を通じて、Smart Techのメンバーは地域の魅力を再確認し、地域活性化を担う大きな自信につながりました。

学生たちはこれを機にさらに活躍の場を増やし、西新宿を盛り上げていきたいと意気込みます。

プロジェクト紹介

まち開発プロジェクト -Smart Tech-

私たちは新宿キャンパス付近、西新宿の方々とのつながりを通しジャンルを問わず街を豊かにすることを目的に活動しています。「まちづくり」「IT」「商店街」「イベント」「大都会」「イノベーション」などをキーワードに、商店街の方や企業の方々とともに活動します。

どんな逆境もチャンスに

新型コロナウイルスの影響で、学生の課外活動に逆風が吹き荒れた2020年度。

イベントが開催できないため、先輩から後輩への引き継ぎが進まない団体も多くありました。
あるプロジェクトの4年生に話を聞くと、「当たり前に囚われないいい機会。団体の伝統にこだわらず、後輩達がゼロベースでまた始めてくれれば大丈夫。」と頼もしく語ってくれました。
無限の可能性を秘めた学生たちには、このピンチもチャンスへと変える力があります。

今回ご紹介したプロジェクト以外にも、学生プロジェクトはもちろん、委員会、部活、サークルなど様々な団体が、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのガイドラインを守り、活動を行っています。

工学院大学は、安全に最大限配慮しながら、これからも学生たちの活動を支援し続けます。