八王子キャンパスのうつりかわり 2011-2017

八王子キャンパスのうつりかわり 2011-2017

~「八王子キャンパスマスタープラン」にもとづく開発を終えて~
2018 / 01 / 25
八王子キャンパス全景(2006年撮影)
八王子キャンパス全景(2017年9月撮影)
上の八王子キャンパス航空写真、大きく変化しているのはどの部分かわかりますか?
よく見ると、特に中央部分が変わったことがわかります。
2011年から八王子キャンパスの再構築が始まり、その計画は「八王子キャンパスマスタープラン」として7年間継続されました。
2017年に130周年を迎えた工学院大学にとって、7年の月日はわずかな期間ですが、計画には歴史と未来への想いが詰まっていました。
今回は、どのような理由と目的があったのかを紐解きます。

<安全と快適さ>

八王子キャンパスマスタープランを策定した理由は、大きく分けて二つありました。
1:建物の耐震性や老朽化など課題がみられるようになってきた
2:キャンパス全体を統一的に見る視点がなかった

工学院大学は1963年に八王子キャンパスを開設。これは八王子市に設置した大学では一番最初となっており、今では八王子市は全国有数の学園都市といわれています。
マスタープランを検討し始めた2008年ごろは、キャンパス開設からすでに45年が経過。耐震基準が古い建物が多くなることもうなずけます・・・

創立125周年記念総合教育棟は八王子キャンパス再構築の先駆けとして建設
このような状況から、主に時代の変化(インターネットの普及、女子学生の増加など)に合わせた整備を中心に、総合教育棟、ふらっと、あどらぼ、2号館を最新の設備と耐震基準で建設し、計画は完了しました。
 

<旧図書館、書籍として後世へ>

現在、芝生広場となっている場所には図書館がありました。
故 武藤章氏(本学名誉教授)設計の名建築として親しまれましたが、最新の耐震基準(2011年当時)を満たしていないため2015年に取り壊されました。 
この図書館は、建築学部の先生方により、写真と意匠図や関係者へのインタビューがまとめたられた書籍『建築を保存する本 工学院大学八王子図書館/武藤章 』として後世に伝えられています。

<スタイリッシュな建物とランドスケープデザイン>

キャンパス内の機能的な動線と視覚的つながりを両立する手法として、ランドスケープデザインを取り入れています。これは、主に都市設計などの景観をデザインするものですが、建築学部のある工学院大学ならでは、といったところでしょう。
 
倉田直道教授(本学名誉教授、2014年退官)が原案を作成、下田明宏教授(建築学部まちづくり学科)が引き継ぎました。
ランドスケープデザインが大いに活用された2号館中庭と4号館周辺(中庭、外構)

<形を変えて繋がる想いと歴史>

 2号館は、八王子キャンパスマスタープランで最後に着工された建物です。機能性と視覚的つながりの集大成として完成しました。
渡邉洪基(工学院大学の前身「工手学校」設立者)の揮毫による「材美工巧」
八王子キャンパス再開発で伐られた木を再利用した机
 新しくなった八王子キャンパスは、多くの方の提案が生きているキャンパスです。キャンパス各所の工夫や面白いところを発見して、学びに活用してください。
成長が楽しみな4号館中庭の桜(写真通路左側)と銀杏(写真通路右側)