僕らの部活動のこと、 みんなに知ってほしいんだ。

僕らの部活動のこと、 みんなに知ってほしいんだ。

工学院大学附属高等学校、硬式野球部と柔道部インタビュー
2019 / 06 / 25

附属高校の部活動は、どんな感じなのだろう?

高校生活といえば、何を思い浮かべますか? 将来の目標に向かって懸命に勉強したり、仲間と一緒に学校行事を盛り上げたり……。もう一つ、忘れてはならないものが、部活動です。
工学院大学附属高等学校では、運動部、文化部ともに、生徒が主体となって日々の活動に夢中で取り組んでいます。そこで、自分たちの部活動の魅力を伝えるために、学校を代表として硬式野球部と柔道部のメンバーが登場。事前に27枚撮りのレンズ付きフィルムを渡し、カメラマンになったつもりで普段の活動の様子を撮影してもらいました。
限られた枚数で自分たちの部活動の楽しさを伝えようと、試行錯誤しながら撮影してくれました。自然な目線で切り取られた、最高の一瞬。それは、どのようなものなのでしょうか?

プロフィール



渡邊 充さん/3年 硬式野球部(写真:右)

身長190センチ、右投右打。2019年の春季大会では見事な投球でチームを勝利に導き、プロ球団やメディアが注目する期待のピッチャー。学業面は……、まだまだ伸びしろアリ!

三枝日向さん/3年 硬式野球部(写真:左)
野球についてはまったくのビギナーだったが、友だちに誘われてマネージャーに。いつも野球部員のことを第一に考えて行動し、今や野球部に欠かせない存在。


佐藤拓未さん/3年 柔道部(写真:右)

キャプテンとして部員をまとめるしっかり者。教室ではいじりキャラの友だちをさらにいじるムードメーカー的存在。得意技は大内刈。

飯野翔大さん/3年 柔道部(写真:左)
柔道部イチの明晰な頭脳を持つ切れ者。ストイックな性格。日々の筋トレの甲斐あって、筋肉がすごい。ニックネームは「キン肉マン」。得意技は内股。

「うまくなりたい、強くなりたいなら、絶対に手抜きしない!」が野球部の伝統

撮影してもらった写真の中から、お気に入りの1枚を選んでもらいました。まずは野球部のおふたりから。 

——こちらの写真は?

渡邊(野球部):ピッチャーの集合写真です。野球部員は50人くらいいて、そのうちピッチャーは16人くらい。学年問わずにみんな仲がいいんですよ。その感じがよく出ているなあと思って、この写真を選びました。
三枝(野球部):私は内野手のノックの練習シーンを選びました。野球の好きなところはたくさんありますが、地道で忍耐強い感じが、見ている私も励まされるというか、グラウンドを走り回りながらボールを必死に追いかけるひたむきさが好きです。

——普段はポジションごとに練習しているのですか?

渡邊(野球部):そうです。ピッチャーだったら、投球練習とか、ランニングとか。あとは、バーベルを使ったウェイトトレーニングもしますね。ちなみに、このバーベルは100キロです。
渡邊(野球部):テクニックをみがくには、まずは基礎をしっかりしなくちゃと思っています。いちばん大切にしていることは、「意識」です。
 
うまくなりたい、強くなりたいのなら、それをかなえるにはどうすべきかを自分たちできちんと考えて、手を抜かずに行動する。僕らがやってることは、ただそれだけです。そうすれば、必ず成長できると思っています。
 
佐藤(柔道部):おお、なんかかっこいい!
 
渡邊(野球部):これは先輩たちから教えてもらったことですね。自分も後輩たちに伝えていきたいなと思ってます。
 

——マネージャーのお仕事はどうですか?

三枝(野球部):普段は選手たちのドリンクを作ったり、ランニングタイムの計測をしたりと、いろんな仕事があります。
去年はマネージャーが4人いたのですが、先輩が卒業して、今は私と後輩の2人だけ。マネージャーの人数は減っても選手たちが万全な状態で練習できるように、常に先読みしながら動いています。

——柔道部にもマネージャーはいる?

佐藤(柔道部):いたらいいなと思うんですが、いませんねえ……。野球部がうらやましいです。柔道部でも絶賛募集中です(笑)。

渡邊(野球部):マネージャーの三枝たちがいつも部員のために頑張ってくれてるから、自分たちも頑張らなきゃって思えるんです。
 
飯野(柔道部):野球部って、みんな真面目だな。それにひきかえ、柔道部は……(笑)。

渡邊(野球部):真面目なのは野球のときだけ! 普段はみんなでワイワイ騒いでばかりいるし(笑)。
 
飯野(柔道部):それは柔道部も同じかも(笑)。
 
渡邊(野球部):部活以外の時間もよく一緒に過ごしていますね。カラオケに行ったり、食事に行ったりしています。
グラウンドは照明設備付き。遅くまで練習に励んでいます。隣接する工学院大学の球場も使うこともあります。

弱点を克服して勝利をつかむために、たゆまぬトレーニングを積む柔道部

柔道部のおふたりは、どんな写真を選んだのでしょう?

——柔道は組手のイメージが強いのですが、撮影してもらった写真はトレーニングのシーンが多いですね。

佐藤(柔道部):そうですね。僕が選んだ写真は「ロープ」と呼んでいるトレーニングです。腕と腹筋が鍛えられます。慣れないうちは腕と足を使わないと登れないんですが、だんだん腕の力だけで登れるようになります。
佐藤(柔道部):この写真は朝練のときに撮ったものですね。朝練は自由参加で、僕はだいたい毎日やっています。いつも7時45分くらいに登校して、授業が始まるぎりぎりの8時30くらいまでトレーニングしてます。
 
渡邊(野球部):野球部でも朝練はやっていますね。うちも参加は自由ですが、けっこうみんな来ていますね。

飯野(柔道部):僕もトレーニングの写真を選びました。体をつくるために、放課後に組手の練習が終わったあとにも筋トレをしています。この写真はそのときのもの。「ペアトレ」といって、二人一組でやるトレーニングで、首を鍛えているところです。

——普段の活動で基礎を着実に積み上げているところは、野球部とも通じますね。

佐藤(柔道部):体を鍛えることって、すっごく大切なんです。地道にトレーニングで力をつけて、そのうえで技をみがいていくといった感じです。
 
渡邊(野球部):部活は違うけれど、たまにお互いのトレーニングの内容とかを情報交換したりするんですよ。「その二の腕はどうやってつくってるんだ?」とか(笑)。
 
佐藤(柔道部):筋トレを熱心にやってるのは、理由もあります。他校の柔道部と比べると、うちは小柄な部員が多いです。大柄な人は体重もあるから、パワーがなければ、どうしても勝てないんです。
自分たちのウィークポイントをきっちりと把握して、それを克服して勝てるようにするための練習メニューを組んでいます。
飯野(柔道部):技については、みんな得意技を持っています。顧問の先生からそれぞれに向いているものをアドバイスしてもらいます。普段から先生と密にコミュニケーションを取りながら練習に励んでいますね。
 
佐藤(柔道部):春と夏の合宿は、先生の母校の大学でさせてもらっているんですよ。大学生と一緒に練習するのですが、そのおかげでかなり鍛えられています。

——野球部も合宿をするのですか?

三枝(野球部):はい、年に何度か行っています。
 
渡邊(野球部):夏季大会前には、最後の追い込みとして校内合宿をしています。学校のある日にやるのですが、朝練して、いつも通りに授業を受けて、放課後に練習して、夕飯後にも練習して。
 
佐藤(柔道部):かなりハードそうだな……。
 
渡邊(野球部):だから、食事の時間がすごく待ち遠しい(笑)! ハードですが、チームの結束は一気に高まりますね。

——柔道部の普段の雰囲気はどうですか?

飯野(柔道部):部員は全学年合わせて11人。人数が少ないこともあって、僕らもみんな仲がいいんですよ。この写真は、練習後に話しているところ。練習後はいつもみんなでその日の反省をしたり、「今日のあの技、良かったよ」なんてほめ合ったりしています。
佐藤(柔道部):うちの部はみんな、ほめられて伸びるタイプなんですよね(笑)。
 
飯野(柔道部):あとは、このときには部活とぜんぜん関係ない話もしていますね、ゲームのこととか……。部員にとって、この時間がいちばん楽しいんじゃないかっていうくらい盛り上がっているかもしれない(笑)。
柔道場は2面。環境は申し分なし。歴代の部員たちの活躍ぶりを示すように、壁面には過去の大会の賞状がずらり。

もっと成長したいから、これからも部員が一丸となって頑張りたい

——自分たちの部のことを、ひとことで表すとしたら?

渡邊(野球部):……うーん、なんだろう。「やさしい」、かな。練習以外ではふざけあってばかりいるし(笑)、普段は決して表に出さないけれど、うちの野球部に集まって来る人は、みんな根がやさしい仲間ばかりだなあと思っています。
 
三枝(野球部):マネージャーの私から見ていてもそれは感じます。普段の練習も、お互いに励まし合いながら、本当によく頑張っているんですよ。もうすぐ夏季大会が始まりますが、良い結果につながればいいなって思っています。

渡邊(野球部):どうだろうな、せめてベスト8に入れたらいいんですが……。
 
佐藤(柔道部):僕らは野球部にめちゃくちゃ期待しているんです。渡邊のピッチングだったら、ベスト8よりも、甲子園とかを狙えるって本気で思ってる。マジで頑張ってほしいっす!

——柔道部は、いかがですか?

飯野(柔道部):「柔よく剛を制す」でしょうか。これはうちの部のモットーみたいなものですね。先ほど佐藤が言ったみたいに、小柄な部員が多いので、自分たちより大きな人を倒す柔道を心掛けています。
 
佐藤(柔道部):6月に関東大会があったのですが、3年連続28回目の出場を果たすことができました。目標はベスト4入りでしたが、残念ながら今年は達成できなくて……。来年は絶対に実現してもらいたいですね。僕らの思いを、後輩に託します!

——皆さんのお話から、部活動にひたむきに取り組んでいる様子がひしひしと伝わってきました。これからの活躍にも期待しています。

照明設備付きのグラウンドや広々とした道場、専用のトレーニングルームなど、行き届いた環境で伸び伸びと部活動に打ち込む附属高等学校の生徒たち。特に今後は、校内に新たにバッティング練習場が設けられることになり、ただいま着々とプランが進行しています。取材当日は、放課後にもかかわらず、校舎内には学生でたくさん。校舎の様々な場所で、真剣に部活に取り組む姿を見ることができました。ほんの一部ですが、写真でご紹介します。