Ⅱ.就職活動のマナー

01 電話のマナー
就職活動中は、電話を使う場面がたくさん出てきます。社会人言葉は学生言葉とは全く別です。外国語を覚えるくらいのつもりで、社会人としての正しいマナーを意識し、使いこなせるようにしましょう。電話をかける前には必ず、メモとペンを用意します。
●マナー01 電話をかける際、先方の状況を考える
忙しい時間帯は避けて、午前10時~11時頃、午後2時~4時頃に電話を入れるようにします。そして話を始める前に、先方の都合(今、話をしても大丈夫でしょうか等)を必ずひと言尋ねましょう。
●マナー02 用件は簡潔に
事前に話す内容を整理してメモにまとめておきましょう。受け応えは的確にし、わからないことがあったらその場で尋ねましょう。
●マナー03 必ず復唱し、メモを取る
時間・場所・相手の名前などは必ずその場でメモし、復唱して確認しましょう。
●マナー04 敬語は適切に
相手に不快感を与えないように、ゆっくりとわかりやすく話すことを心がけましょう。敬語ばかりに気を取られずに、丁寧に話すことが大切です。
●マナー05 電話が途中で切れたら
こちらからもう一度かけ直し、どのような場合でも「失礼しました」とひと言添えましょう。
●マナー06 企業から電話をいただいたら
企業から携帯電話に連絡が入った場合は、すぐに静かで電波状態の良いところへ移動しましょう。また、留守番電話などに連絡をいただいた場合は、必ず折り返し電話をし、直接確認しましょう。
※留守番電話機能をつけましょう。
●電話のかけ方例(自分からかける場合)
企 業:「はい。○○電機でございます。」
学 生:「わたくし、工学院大学○○学部○○学科の○○と申します。お忙しいところ恐れ入ります。会社説明会の件でお電話させていただきました。人事部の○○様(名前がわからない場合は『採用ご担当の方』)をお願いいたします。」
企 業:「かしこまりました。人事部の○○ですね。少々お待ちください。」
担当者:「お電話代わりました。○○です。」
学 生:「わたくし、工学院大学○○学部○○学科の○○と申します。会社説明会への参加申込みをさせていただきたく、お電話いたしました。今、お時間いただいてよろしいでしょうか?」
担当者:「はい。会社説明会は4月10日・20日・30日のいずれも10時からと14時からございます。どの回に参加をご希望ですか。」
学 生:「では、4月10日10時からでお願いできますでしょうか。」
担当者:「4月10日10時からですね。わかりました。会場は、○○ビル1階です。」
学 生:「○○ビルの1階ですね。その際に持参するものはありますか。」
担当者:「筆記用具と履歴書をお持ちください。」
学 生:「筆記用具と履歴書ですね。承知いたしました。当日はよろしくお願いいたします。」
担当者:「はい、お待ちしております。」
学 生:「ありがとうございました。失礼いたします。」
担当者:「失礼いたします。」
02 正しい敬語の使い方
敬語を上手に使いこなせば、相手に好印象を与え、信頼感を生み、結果として自分の意思をスムーズに伝えることができます。「年齢・経験・立場・役割」などが異なる人同士のコミュニケーションを円滑にしてくれるのが『敬語』です。相手を敬う気持ちがあれば、それが自然と態度や話し方、言葉づかいとなって表れてくるものです。完璧な敬語でなくても良いので、相手への敬意を込め、学生らしくさわやかで好感の持てる話し方を心がけましょう。すると、たとえ完璧な敬語でなくても、思いが相手に好印象となって伝わっていくのです。
◆主な敬語の種類
●01 尊敬語…聞き手、話題の人に使う
目上の人の動作や状況について話す場合に使う言葉です。相手を高めることで敬意を表します。
●02 謙譲語…自分、身内に使う
目上の人へ自分の動作や状況について話す場合に使う言葉です。自分がへりくだって話すことにより、間接的に相手に敬意を表します。
●03 丁寧語…言葉の身なりを整える
目上、目下といった状況にかかわりなく、聞き手に敬意を表す言葉です。品位を保つ効果もあります。
◆不規則動詞の例
| 普通語 | 尊敬語 | 尊敬語の例 |
| 謙譲語 | 謙譲語の例 | |
| いる | いらっしゃる おいでになる |
先輩はいらっしゃいますか? |
| おる | 7時までは自宅におります。 | |
| 行く(訪ねる)/来る | いらっしゃる おいでになる お越しになる |
お客様は1時においでになります。 |
| 参る 上がる うかがう |
行く:私がそちらにうかがいます。 来る:○○は間もなく参ります。 |
|
| する | なさる | どうなさいますか? |
| いたす | こちらからお電話いたします。 | |
| 言う | おっしゃる | 先輩がおっしゃいました。 |
| 申し上げる | 先ほど申し上げた通りです。 | |
| 見る | ご覧になる | 書類はご覧になりましたか? |
| 拝見する | お手紙拝見いたしました。 | |
| 知る | ご存知です | 既にご存知かと思いますが… |
| 存じる 存じ上げる |
そのように存じています。 | |
| 聞く | お耳に入れる | 先にお耳に入れたいと思います。 |
| うかがう 承る 拝聴する |
もう一度うかがってもよろしいですか? | |
| 会う | お会いになる | そのお客様とお会いになりますか? |
| お目にかかる | お目にかかるのを楽しみにしております。 | |
| 食べる 飲む |
召し上がる | 先にお召し上がりください。 |
| いただく ちょうだいする |
ありがたくちょうだいします。 |
◆あらたまり語の例
| 普通語 | あらたまった言い方 | 例 |
| 今日(きょう) | 本日(ほんじつ) | 本日、2時にうかがいます。 |
| 昨日(きのう) | 昨日(さくじつ) | 昨日申し上げた通りです。 |
| おととい | 昨日(いっさくじつ) | 一昨日にお送りしました。 |
| 明日(あした) | 明日(みょうにち) | 明日のご予定はいかがでしょうか。 |
| あしたの朝 | 明朝(みょうちょう) | 明朝は晴れの予定です。 |
| あさって | 明後日(みょうごにち) | 明後日、お電話差し上げます。 |
| 今年(ことし) | 本年(ほんねん) | 本年もよろしくお願いいたします。 |
| 去年(きょねん) | 昨年(さくねん) | 昨年はお世話になりました。 |
| おととし | 一昨年(いっさくねん) | 一昨年は過ごしやすい気候でした。 |
| 今 | ただいま | ただいま参ります。 |
| すぐ | さっそく | さっそくうかがいます。 |
| さっき | さきほど | さきほどはありがとうございました。 |
| あとで | のちほど | のちほどおうかがいします。 |
| この前 | 先日(せんじつ) | 先日はありがとうございました。 |
| ちょっと/少し | 少々 | 少々お待ちください。 |
| いい | よろしい/けっこう | よろしいでしょうか。 |
| ここ/こっち | こちら | こちらでございます。 |
| この人 | この方/こちらの方/こちら様 | こちらの方がご指摘くださいました。 |
| だれ | どなた(様)/どちら(様) | どなた様でいらっしゃいますか? |
| どんな | どのような | どのようなご用件でしょうか? |
| どう | いかが | いかがいたしましょうか? |
| いくら | いかほど | 代金はいかほどになりますでしょうか? |
| うちの会社 | 当社/弊社 | 当社が主催いたします。 |
| あなたの会社 | 御社/貴社 | 御社までおうかがいいたします。 ※話す時は「御社」、書く時は「貴社」を使います。 |
| わかりました | かしこまりました/承知いたしました | ご依頼の件、承知いたしました。 |
| すみませんが~ | 恐れ入りますが~ | 恐れ入りますが、もう一度お越しください。 |
| すみません | 申し訳ございません | ご迷惑をおかけして申し訳ございません。 |
過度に緊張する必要はないとはいえ、普段、友人と接するときに使っている言葉づかいや「学生言葉」が出てしまうのは考えものです。相手に不快感を持たれることがありますので、うっかり口にしないように日頃から使うことで慣れていきましょう。
◆学生言葉の例
- 語尾をのばす話し方は、だらしない印象を相手に与えます。
- 「私的には」といった表現の「~的」は不要です。
- 「私って~な人だから」は自己中心的な印象を与えます。
- 流行語、隠語、略語は性格が軽い印象を与えます。
- 「だって」「でも」「どうせ」といった言い訳めいた言葉や自己否定的な言葉は避けましょう。
03 身だしなみ
相手に好感を持ってもらうためには、見た目の第一印象がとても大切です。明るく元気なあいさつ、清潔な身だしなみ、いきいきとした表情、きびきびとした(優雅な)立ち居振舞い、丁寧さを感じさせる言葉づかいなどが良い第一印象を形成します。まずは、相手に好印象を与える身だしなみのチェックポイントをしっかり押さえておきましょう。
◆身だしなみのポイント
●01 清潔感
衣服・頭髪はもちろん、ハンカチや靴下、靴の汚れにも注意が必要です。相手に不快感を与えないよう心がけ、白のシャツ・ブラウス、ネクタイの色もシンプルで品の良いものを選び着用するようにしましょう。
●02 動きやすさ、機能性
衣服は体のサイズに合ったものを選び、ヒールの高さにも気をつけましょう。