Ⅲ.就職活動の準備

INDEX
01 自己分析
就職活動をする前に、自己分析をして自分の性格や職業観を振り返ってみましょう。
◆自己分析の意味・目的
自己分析にはさまざまな方法がありますが、主に今までを振り返りながら、自分が「何を大切にしているのか」「何に興味があるのか」「何に向いているのか」「何ができるのか、何をしてきたか」といったことを考えて、採用担当者に自分のことを伝えていくことです。つまりいまの自分を客観的にとらえ、自分の強みや考え方をしっかり意識し、自信を持って意見を伝えることです。これは就職活動にとどまらず、社会に出てからも必要とされることです。自己分析は、学生から社会人へと意識を変えていくための大切な第一段階といえます。
◆自己分析の方法
自分のことをよく理解するためには、さまざまな観点から自分のことをとらえていくことが大切です。いままでの自分を振り返る、いまの自分について客観的にまとめてみる、これから自分がどうなりたいかを考える。そのなかで自分の興味や関心、強み、弱み、そして職業観などを描き出していきます。自分だけでなく、友人や家族などの客観的な意見も聞きながら、自分のセールスポイント、アピールポイントを明確にしていきましょう。
●01 過去の自分を詳細に把握する
幼いころから自分がどんなことに興味を持っていたか、振り返ってみましょう。夢中になっていたことは何か、勉強で得意・不得意だったこと、学業以外に行った部活動・サークル活動や習い事、アルバイト、委員会活動など経験してきたことや、それを通じて「学んだこと、感じたこと、強く印象に残っているエピソード」を思いつくかぎり書き出しましょう。
●02 現在の自分の価値観、職業観を考える
あなたが大切にしていることや、なにか物事を進める際に譲れないことはどんなことですか。あなたにとって「働く」ことはどういうことなのか、もう一度真剣に考えてください。企業はあなたの仕事に対する姿勢や価値観、人柄を知りたいと思っています。自分の核をしっかりと固めるためにも価値観や職業観を考えることが必要です。
●03 現在の自分の長所、短所を考える
就職活動では「やりたいこと」だけでなく、自分が「できること」をきちんと伝えることが大切です。そのためにも自分の長所・短所、得意なことや不得意なことを書き出しましょう。このとき「根拠」を明確にしてください。家族や友達などの身近な人に聞いてみると、自分が思っている自分と他人から見た自分との間にギャップがあることがあります。自分が周りからどう見られているかを知ることも大切です。
●04 将来の夢、理想の自分を考える
「将来○○していたい」「こんな社会人になりたい」など将来への夢を具体的に持つことも大切です。具体的なイメージが湧かない人は、理想の人や憧れの人を分析してみましょう。なりたい自分、理想の自分が具体的に浮かび上がってきます。
●05 性格分析テストを受けてみる
自己分析に行き詰まった場合、性格分析テストを受けるのも手です。それにより自らを客観的に見ることが可能になります。ただし、鵜呑みにせず参考程度に見てください。
02 業界・企業研究
◆業界研究
自己分析と並行して行うのが業界研究です。
就職活動を始めた初期段階ではあまり業種を絞り込み過ぎず、これまで興味のなかった業界についても俯瞰するように研究しましょう。就職活動においてはさまざまな企業との出会いによって、希望業種が変わることはよくあることです。
業界を研究するときは、その業種が作り手側(上流)に近いのか、使い手側(下流)に近いのかというポジションを知ることから始めます。例えば「製造業」一つとっても、まず完成品メーカーがあり、完成品に必要な部品を供給する部品メーカーがあり、その部品を作るのに必要な素材メーカーがあります。さらには、製造工場を作るプラントメーカー、製造工程に必要な工作機械や工具・金型を供給するメーカーなど、一つの製品を作り出すまでにメーカーだけで見ても、非常に多くの企業が関わっています。一般に部品メーカーは「B to B」と言われ、名前が知られていないことが多いです。
このように見方を広げることで、自分の興味・関心をより確かなものにするとともに、業界研究をするなかで関心の対象が変化するなど、意外な発見も多くあるでしょう。
◆業界ごとの求める人物像
各業界が求める人物像は、業界によって異なります。どの業界でも共通して「コミュニケーション能力」、言い換えれば、「相手の話をしっかりと聴き、相手の立場に立って考える力」が必須です。個々の企業によって見るポイントは異なりますし、多様な人材を求めているのもまた事実ですので、あまりとらわれ過ぎず、同じ業界の複数企業から話を聞いてみましょう。
◆仕事の内容、職種研究
業界研究同様、自分はどのような内容の仕事をしたいのかといった職種の研究も就職活動においては欠かせません。むしろ、業界研究以上に重要なポイントといえます。例えば、SE(システムエンジニア)職という職種ベースで企業を探す場合、メーカーでも流通業でも金融業でもSE 職を募集しているケースがあり、自分の選択肢を広げることができるからです。
職種は、おおまかには技術職、営業職、事務職、専門職に分けることができます。技術職では、研究・開発、設計、生産管理、品質管理、メンテナンスなどに分類できます。ただし、職種名は同じでも、実際の業務内容は企業によってかなり違いがあります。また、営業職と一口に言っても、法人向け、個人向けがあり、さらに販売職、セールスエンジニア(技術営業職)、MR(医薬情報担当者)などに分けることができます。「希望業界の企業に入社できたが、実際の仕事内容は想像と違った」ということにならないためにも、自分に合った職種を研究し、説明会等で明確にしていくことが大切です。
◆企業研究
企業研究にはデータ分析とヒューマン分析とがあります。データ分析は、主に同業他社との比較を中心に、成長性や安定性を見ます。社員一人当たりの売上高推移や利益推移、事業構成比、主要顧客内容、社員数推移、給与などで、ある程度類推できます。ヒューマン分析は、会社訪問や卒業生訪問などを通して、そこで働いている人を観察します。働いている人々が自分の考えや感性と合うか、目指したい方向なのかを研究することが、納得のいく就職先を見つけることにつながります。
後述の「企業を見るポイント」「企業データの正しい読み方」も参照してください。
◆企業セミナーへの参加
企業を知るには実際に担当者に会って話を聞くことが、最も理解が得られる方法です。学内企業セミナーや企業主催のセミナーなどに積極的に参加して、できるだけ多く企業と出会いましょう。
◆企業を見るポイント
次の6つのポイントから、企業の質や特徴を理解しましょう。
- 事業の将来性はどうか?
- 独創性(他社にマネのできない製品・商品・技術開発力・経営等)はあるか?
- 経営者に魅力はあるか?
- 人材育成(人材採用・登用、教育システム、社員モラルや社風)に力を注いでいるか?
- 財務体質はどうか?
- 技術開発力はどうか?
◆企業データの正しい読み方
自分の職業選択が間違っていないか、判断のよりどころを得るために行うのが企業研究です。各種データを調べるのは大切なことですが、面接対策のためであってはいけません。確かに、より多くの情報を持っていれば、面接ではスムーズに対応できるでしょう。しかし「自分が就職するかもしれない企業」という見方を忘れると、正確なデータが読み取れず、データをもとにした判断にも齟齬が生じてしまいます。
いずれにしても、
①設立年月日
②創業者名
③資本金
④代表者氏名
⑤株主構成
⑥従業員数
⑦業務内容
⑧今後の展開
⑨業績(近年の売上高推移)
⑩業界でのシェア
⑪本社・支社・営業所数等と所在地
⑫人事対策
⑬福利厚生
⑭今後の経営方針
⑮求められる社員像や社風
程度のデータは、最低限知っておきたいものです。
◆業種一覧/職種一覧
以下は、主な業種や職種の一覧です。参考にしてください。
| 業種一覧 | 職種一覧 |
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◆情報収集の手段
業界・企業情報の収集にはさまざまな方法・ツールがあります。主な方法・ツールとその特徴などをまとめました。
●インターネット
まず、「求人NAVI」は必見です。その他、就職情報サイトを通じたエントリーや各業界・企業のホームページなど、情報収集にはインターネットが欠かせません。一方で、自分が名前を知っている企業や憧れの業種ばかり調べるなど、イメージ優先の情報収集になりがちです。「求人NAVI」はさまざまな特徴による検索が可能ですので、自己分析の結果も踏まえて、新しい分野を発見しましょう。
●会社要覧・就職四季報
「業務内容」「本社・支店所在地」などといった一般的なデータのほか、「資本金推移」「社員平均年齢」「平均給与」「売上純利益」「貸借対照表」「自己資本構成比率」などの詳細データが入手可能です。
●インターン(就業体験)
一定期間、企業等のなかで研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行う制度を利用する人が増えています。就職のミスマッチをなくすための制度であり、多くの場合、労働賃金は払われません。「仕事とは何か、社会とは何か」を知り、「自分の適正は何か」を知るきっかけであり、自己分析をする絶好のチャンスでもあります。
とくに、3年生の夏休みを中心に参加しましょう。
●合同企業セミナー・説明会
多数の企業に一度に接触できる、新しい企業・業界・職種への関心が高まる機会に恵まれる、その後のスケジュールの情報が手に入るなど、就職活動の入口として非常に有効です。最初から選り好みせずに、できるかぎり多くの企業と接触しましょう。
ただし、あくまで入口のため、並行して企業主催のセミナー・説明会へも参加しましょう。
●会社説明会・工場見学会
企業個別に実施される説明会。主に会社概要の説明、主力商品や製品の紹介、業務・施設の見学、質疑応答などが行われます。若手社員への質問会や経営者との座談会、職場体験など、近年は企業側が多彩な場を設けています。また、どの企業にも、工場や店舗、支店など、誰でも見学できる施設があるものです。そのような場所にも出向き、自分の目で企業を眺めてみるのも良いでしょう。
●卒業生訪問
本学の卒業生を訪問します。採用担当者の説明よりも、普段の仕事内容や職場の雰囲気などを遠慮なく聞くことができます。複数の卒業生に話を聞くことで、その業界や企業がより多面的に見えてくる効果があります。
ただし、最低限のマナーは忘れずに、後輩として謙虚に教えていただく姿勢を持ちましょう。予め質問事項を伝えておくのが良いです。その場で、答えられない場合もあり、準備してもらえます。また、選考の一部と考える企業もあります。
◆就職情報サイトの活用
就職情報サイトのおかげで、毎日のように内容が更新される企業情報も入手、管理しやすくなっています。登録すれば、就職情報の提供、エントリーや説明会申込みなど、就職活動に必要なさまざまな情報を得ることが可能です。エントリー等の本格スタートは卒業する前年の3月ですが、大学3年生・大学院1年生の4月頃から利用が可能で、インターン関連の情報が最初に発信されるようになります。
◆メール・SNS の活用
近年はSNS などを活用した情報交換や卒業生訪問も盛んに行われるようになってきました。これらは、同じ会社を受けている実際には会えない学生同士の情報交換を効率良くしたり、同じ大学の先輩社員との接点を生み出しています。ただし、情報の内容については本物・偽物を見抜く力も必要とされます。とくに顔の見えない情報・人物を相手にするため、慎重さも併せ持ちながら活用していくと良いでしょう。
●メールの注意事項
エントリーを始めると、急に何十社、何百社からメールが届くようになります。しかし、就職活動では返信の必要なメールと、必要のないメール(システムからの自動配信メールなど)があります。
担当者の個人名やアドレスが記載されていれば、すぐに返信しましょう。イベントに参加した際のお礼メールなどはとても大切です。手紙の書き方が基本になりますが、要点を絞って書く練習をしておきましょう。(Ⅳ.就職活動の進め方 STEP06 メールの書き方参照)
●企業のマイページ
近年では、各企業が独自のID、パスワードを応募者に発行して管理を行うマイページが増えてきました。一社一社異なるID とパスワードが必要となってくるため、忘れないようにしっかり管理をしましょう。
◆その他の注意事項
オンライン上の情報は自分の責任においてしっかり取捨選択を行う必要があります。その意味でも、実際に足を使って、その会社や企業の人と会い、確かめるということが必要不可欠になってきます。
また、オンラインの活用が一般的となったことで、企業への訪問を躊躇する学生も増えてきました。合同企業説明会や会社説明会の場は、知られていない側面を知ってもらう場として企業が用意しているものです。実際に合同説明会や学内セミナーなどで、直接接点を持った学生のみを限定して会社に呼ぶケースもあります。
