~先輩たちに聞いてみた~

大学院接続型コースって実際どうなの?

先進工学部に大学院接続型コースが誕生したのは、2020年4月のこと。当時入学した1期生も、現在は4年次に進んでいます。今回は同コースで学ぶ学生が集まり、学びや大学生活について語り合う座談会を開きました。2年次の窪田さんが1期生の先輩たちに質問する形式で、お話は進んでいきます。大学院接続型コースに興味のある高校生の皆さんにも、きっと参考になるでしょう。ぜひ、ご覧下さい。

窪田 千夏 さん
生命化学科2年
(大学院接続型コース生)

志田 喜凜 さん
応用物理学科4年
(大学院接続型コース生)

佐野 健臣 さん
応用化学科4年
(大学院接続型コース生)

鈴木 啓悟 さん
環境化学科4年
(大学院接続型コース生)

村田 智哉 さん
応用物理学科4年
(大学院接続型コース生)

Q1. 工学院大学への進学を目指したきっかけは? また先進工学部大学院接続型コースを選んだ理由は?

私が大学受験を意識した時期は、まさにコロナ禍の真っ只中でした。当時、新型コロナウィルス感染症のような治療法のないテーマに取り組む研究者になりたいと考えたのが、このコースを選んだきっかけです。6年間しっかり学ぶことができる環境が魅力的でした。先輩方はどのような理由だったのですか?

私は、早く研究に携わりたいという思いが強かったですね。

関心のある材料を取り扱っている研究室が工学院大学にあることを知り、進学先に決めました。また、早い段階から幅広い知識が得られることに魅力を覚えました。

家族が「せっかく大学院接続型コースがあるのだから、大学院まで行ってみたら?」と勧めてくれたことがきっかけです。

高校では科学部で実験に親しんでいました。それまでに得た経験や知識を今後も積み重ねたいと思い、四工大の一つである工学院大学を選びました。このコースを選択したのは、将来の選択肢を増やすことにもつながると思いました。

工学院大学の志望理由もコースを選択した理由も、さまざまですね。とても参考になりました。

Q2. 1年次は学科に所属しないシステムについて、どう感じた?

最初から学科が決まっている学生に比べて、「友だちができにくいのではないか?」という不安がありました。先輩たちはどうでしたか?

実験の授業では、グループ内でコミュニケーションが欠かせません。そこで話すうちにどんどん仲良くなっていきました。

確かに実験の存在は大きいですね。実際に学んでみると実験も含めて1年次って先進工学部の学科関係なくクラスが決まって一緒に履修する基礎科目の授業が多いので、いろいろな学科の友達ができますね。

Q3 先進工学部大学院接続型コースだから学べること、学びの魅力を教えてください。

このコースのメリットについて、どう感じていますか?

第一に、希望の研究室に所属することができることですね。それから、3年次から「先進工学部特別研究Ⅰ」で早期に研究に携わることで測定装置の扱い方や原理を学ぶことができ、また実験の内容に関しての知見をより深めることができることが良かったと実感しています。

Q4. 所属している研究室を教えてください。また、どのような研究をしていますか?

先輩方が所属している研究室と、取り組んでいる研究について教えてください。

固体物性研究室です。半導体の研究を通じて、人体に影響がなく、低コストで環境への負荷も低い、かつ殺菌作用のある波長222nmの深紫外線LED開発に向けた研究に取り組んでいます。

無機表面化学研究室です。アルミニウムに皮膜を付けて耐食性を持たせたり、着色するための工程では過電流が発生してしばしばトラブルを招きます。そこで、過電流を抑えるため、アルミニウムを加工する硫酸電解液にアルコールを添加し、電圧を変化させる工夫をしています。

電気環境化学研究室に所属しています。研究テーマは、電池を構成している従来の電解液を使わない安全な電池の実現。ゲル状に固めた電解液で代替することで液漏れを防ぎ、安全性の向上を目指しています。

物理系の酸化物・エレクトロニクス研究室所属です。電気を流すと色が変わるデバイス、それがエレクトロクロミックデバイス(ECD)です。例えばビルの窓にECDを用いると、スイッチを押すだけで暗くなって遮光するので、ブラインドが不要となります。そうしたECDが研究対象です。「先進工学部特別研究Ⅱ」では、「化学系」の研究室からも指導を受けています。化学からECDにアプローチしてみたらどのような取り組みができるのかという検討を現在進めているところです。

私も「先進工学部特別研究Ⅱ」では、シミュレーション系の研究室で指導を受けて、電池の特性についてシミュレートするといった取り組みを考えています。

「先進工学部特別研究Ⅱ」では、所属先とは別の研究室でも、指導を受けることができるのですね。将来の参考にさせていただきます。さて、私もそろそろ3年次から所属する研究室を選ぶ時期です。先輩たちはどのように研究室を選びましたか?

参加した工学院大学のオープンキャンパスで、現在所属している無機表面化学研究室が実際の研究を公開していました。そこで先ほど述べた、自分のやりたいこととピッタリ合った内容だと感じました。やりたいことは何か、普段からよく考えることが大切だと思います。

私の場合は、材料系の超伝導体を扱う研究に興味があったのですが、3年次に履修した「先進工学部特別研究Ⅰ」という授業がきっかけでECDへと対象が変わりました。授業で修士の先輩とECDについてお話する機会があったのです。そこで「楽しそう」と思えたのが決め手でした。

いろいろと経験を積むことも大切ですね。参考になります。

Q5. 大学院授業科目の先行履修って実際どうなの?

4年次に大学院授業科目の先行履修ができるそうですけど、実際どうなのでしょう。

研究室の先輩からのアドバイスを受けて、5科目履修しています。大学院生向けの授業ですから、正直かなり難しいですね。

5科目も! それでもあえて、履修しているのはなぜですか。

大学院の修了要件の単位に加算されるので、後々修士研究に専念できるメリットが大きいと考えています。

Q6. 先進工学部大学院接続型コースの学生って、学部生時代に就活はまったくやらないの?

コースでは大学院へ進むことが前提で学生生活を送っているので、学部生時代には就活はまったくしないのでしょうか?

研究室の先生が「学部生時代に一度就活を経験しておくと良い」ということでした。なので友だちと1社だけエントリーして就活を経験しています。

実際に就活に取り組む人もいるのですね。

Q7. 先進工学部大学院接続型コースを目指す後輩へ。魅力やアドバイスを教えてください。

最後に、これまでの3年間の経験を踏まえ、受験生の皆さんに向けて、コースの魅力やアドバイスをお願いします。

3年次になると専門的な授業を履修しつつ研究にも取り組めることから、「理論と実践」を結び付けた学びが実現できます。そのためにも、1・2年次には基礎を固めておきましょう。2年次から研究室に出入りしている後輩もいるようですよ。

これまでに述べてきたことに加えて、学会に早くから参加できるなど多くのメリットがあります。私も3年次に学会を聴講しました。興味があればこのコースを選ぶことを強く推奨します。

このコースでは大学院入試のことを考えず、学部の卒業研究に専念できるというメリットは大きいですよ。

研究室の先輩方との研究を通して精神面、知識面で大きく成長することができたと思います。研究では、苦労もあります。しかしその中でも知識を得たり考えたりすることは楽しいものです。何かに熱中することは人生を豊かにすることができるという言葉を胸に、自分の思い描く道を歩んでください。

先輩方から、私自身もためになる熱いメッセージをいただきました。皆様、ありがとうございました。

「小さいながらも世界初の発見の喜び」を体験しましょう

先進工学部長
小山 文隆

研究者に必要な資質は、基礎と専門知識、そしてあなたの興味

このウェブサイトをご覧の皆さんは、将来「研究者」を目指す方々だと思います。研究者に必要な資質はどのようなものだと考えますか?私はしっかりとした基礎と専門知識が重要だと考えています。さらに、自分の興味に注目し、独自のアプローチで問題を解決する能力を育んでいきましょう。実験や調査を通じて、「小さいながらも世界初の発見」を体験しましょう。それは興奮に満ちたスリルであり、大きな喜びをもたらします。

自分が乗りたい船(研究室)を見つけ出し、研究という大海原に漕ぎ出そう

研究を行う場所はどこが良いでしょうか?それは自身の興味や情熱に合った研究室を見つけることです。先進工学部には、個性豊かで元気な教員がたくさんいます。彼らは世界レベルの研究に取り組んでおり、それぞれの研究室は分野ごとの航海をしている船となっています。
大学院接続型コースでは、早期研究室配属という制度があります。これにより、学生は3年次から1年早く自分が乗りたい船(研究室)を見つけ、重要なテーマやニッチな分野で画期的な成果を目指すことができます。研究という大海原に漕ぎ出し、自分だけの航海を始め、「小さいながらも世界初の発見」をしましょう。

国際学会や英文研究論文など、研究の最前線に触れられるチャンスを掴もう

研究室に所属することで、国内だけでなく国際学会への参加の機会も広がります。国際学会では、著名な学術誌に研究論文を掲載し、世界の科学の進歩をリードする研究者たちの真摯で献身的な努力を直接目にすることができます。これにより、研究へのモチベーションが高まるでしょう。
大学院接続型コースを検討している方々には、ぜひ大学院でそうした経験を積んでいただきたいと思います。さらに、博士後期課程に進学し、国際的に認められた学術誌に英語で研究論文を投稿する挑戦もしてみませんか?これにより、国際学会や学術誌で論文査読を行う現役の研究者から指導を受ける機会を得ることができます。その結果、博士(工学)の学位を取得できます。博士の学位は研究の世界へのパスポートとなり、世界中で研究を進めることができます。

私は、大学の枠を超えた教育を受けることで、皆さんが実質的な個人的成長を体験できることを願っています。

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